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「加速するDXで変わる新ノーマル時代の接客と販売」:New Year Special 2021 その2

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パンデミックがもたらした新ノーマルな生活習慣への対応に追われた2020年が終わり、2021年が幕を開ける。この年末年始、BeautyTech.jpではこの1年の美容業界の動きを振り返るとともに、新しい年の行方を示唆するキーワード5つを選出して、関連記事をまとめて紹介する。第2回は「加速するDXで変わる新ノーマル時代の接客と販売」である。

新型コロナウイルス感染症拡大を受け、外出制限、営業時間の短縮や休業、マスク着用や手指の消毒といった衛生管理の徹底など、美容業界に限らず販売の現場は多大な影響を受けた。人と人との直接的な接触が難しくなるなか、デジタライゼーション(DX)が急速に進み、Eコマースをはじめ、非接触や遠隔リモートサービスが加速度的に社会に浸透した。

ビューティブランド各社も、既存のECサイトのユーザーエクスペリエンス(UX)の強化をはかり、オンラインへのシフトを推進。チャット機能やビデオ会議ツールを使用した美容部員によるオンラインカウンセリングやショッピングアドバイス、インフルエンサーを活用したSNSプラットフォーム上でのライブ配信コマースを取り入れるほか、ロレアルやLVMHなどグローバル大手傘下のブランドでは、ARバーチャルトライオンやAI肌分析を実装するなど、より没入感の高い3Dバーチャルショップをオープンする動きも目立っている。

今後は、デジタル化したブランドと顧客のタッチポイントやコミュニケーションに、いかにしてヒューマンタッチをプラスしてエンゲージメントの向上と差別化を図るかが課題となるだろう。その意味で、ECとリアル店舗をシームレスにつなぐOMO(Online Merges Offline)構築の重要性がさらに高まると考えられる。商品の実物を見て、大きさや素材感を確認し、使い心地を試したり、店員からの説明を受けたりするなどフィジカルな体験は店舗で、実際の注文から決済、発送手続きはタブレットやスマホから一貫して行う、いわば実店舗のショールーム化が進行するのではないだろうか。

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Image: fizkes via Shutterstock

日本の事例

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New Year Special 2021 そのほかの回はこちら

(1)「日本の新興コスメブランド、ヒットの計算と情熱と」

(3)「透明性の追求、成長戦略を描くクリーン&エシカルビューティ」
(4)「美容ほか大手企業が牽引するオープンイノベーション」

(5)「2021年も美容業界が注目すべきトレンド領域」

Text: そごうあやこ (Ayako Sogo)
Top image: JBOY via Shutterstock