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オルビスやポーラ、東急百貨店など、化粧品オンライン接客やカウンセリングの17事例

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コロナ禍で需要が高まるのが、非接触かつリモート開催を叶えるオンライン・カウンセリングである。前回の海外事例に引き続き、三越伊勢丹阪急阪神百貨店がオンライン接客を開始するなど、小売店やブランドが展開する国内のオンライン接客の事例をまとめた。

今回は、オンライン・カウンセリングやオンライン接客を、「ユーザーとビューティアドバイザー(以下BA)が1対1で、リアルタイムのオンライン・コミュニケーションをとること」と定義。「事前予約制でZoomなどビデオチャットツールを介して行うもの」「LINEを介して行うもの」「ECサイト上にウィンドウを設置して行うもの」の3つのカテゴリーに分けて事例を紹介する。

事前予約ビデオチャット方式

事前予約のビデオチャット方式は、利用者が申し込みフォームから希望の日時を選んで予約すると、運営側からビデオチャットの参加リンクが送られてくるのが、現在のところ一般的だ。利用者の相談内容を具体的に把握するために、あらかじめ質問票を送るケースもある。利用者が予約した日時にリンクからログインすると、BAとビデオチャットツールを介して対面でき、1対1でアドバイスが受けられる。使われているツールはZoomが主流で、所要時間は1回15分〜40分、無料と有料がある。

<ブランドによるサービス>

♦ オルビス

オルビスでは5月からBAによる「オンラインZoomカウンセリング」を開始した。オルビス公式オンラインショップ内の専用ページの予約フォームから前日までの予約が可能で、肌のカウンセリング、メイクアドバイス、スキンケア商品の正しい使い方、オルビスの各商品についての相談に応じる。オルビスではこのオンラインZoomカウンセリングに加え、予約不要の文字チャットによるサポート(後述)を公式オンラインショップで提供している。

♦ ドクターシーラボ

メディカルコスメのドクターシーラボはテスト期間を経て6月から、全ブランドに対応した無料のサービスとしてZoomを使ったオンライン・カウンセリングを始めた。1日約30分利用できる。予約や管理はすべてLINE上で行え、「手持ちの化粧品の使い方」「肌悩みの相談」などのメニューから選択。「肌悩みの相談」では、さらに「乾燥・肌荒れ」「シワ」「たるみ」など詳細な選択肢を設けた。カウンセリング 中に商品の購入も可能とする。

ドクターシーラボ

画像提供:ドクターシーラボ 

♦ ポーラ

同じく6月から、首都圏を中心に250店舗でZoomを使ったオンライン・カウンセリングを始めたのはポーラだ。コミュニケーションの多角化を模索するなかで、約2年前からオンライン・カウンセリングについても構想を練っていたという。「自宅でのスキンケア方法の見直し」や「化粧ポーチの中身を一緒に見ながらのメイクアドバイス」といった美容相談や、「家でできるセルフマッサージ」のワークショップなど、利用者が自宅にいることを想定したリモートならではのメニューも揃え、約30分無料で実施する。予約は各店舗で受け付け、その店舗に所属のビューティーディレクターがオンラインでも担当顧客のカウンセリングにあたる。8月1日現在、導入店舗数は1,000店舗を超え、今後は2,000店舗での導入を目標としている。

ポーラ

オンライン・カウンセリングの様子
画像提供:ポーラ

♦ シスレー

シスレーでは7月、ブランドによるサービスコンテンツとして、同ブランドのビューティエキスパートによる「シスレー オンライン ビューティ コンサルテーション」を始めた。公式Webサイト上から誰でも無料で予約でき、美容に関する質問や悩み相談ができる。所要時間は約15分、ツールはZOOMのほか、LINE、電話、メールが選べる。

♦ クラランス

クラランスは、本国フランスや米国などに続き、7月からリモートでBAがアドバイスを無料で行う「Clarins & Me」を開始した。使用ツールはフランスなどでは電話のみだが、日本ではiPhoneのFaceTime、WhatsAppも選べる。予約時間になると選択したツールを使ってクラランス側から利用者にコンタクトする。日本でのカウンセリング所要時間は1回約20分で、メニューはフェイスケア、ボディケア、ホームスパ、マタニティケアの4つから選べる。

♦ ヤーマン

ヤーマンは7月から、直営店と百貨店におけるオンライン・カウンセリングを開始した。従来から店舗において事前予約制のカウンセリングを行なっていたが、予約フォームでオンラインも選択可能となった。製品紹介や使い方のレクチャーなどを行う。公式サイトの店舗一覧から予約すると詳細についての確認メールがあり、予約当日の10分前にZoomのURLやパスワードなどが届く。カウンセリング後、商品を購入する場合は、公式EC、店舗での取り置きと受け取り、代引きでの発送といった方法が選べる。

♦ シャネル

シャネルでは8月23日と29日、都内直営4店舗でメンズラインの「ボーイ ドゥ シャネル」商品を購入した人を対象に、男性のメイクアップアーティストが1対1でアイテムの使い方などをレクチャーする無料「オンライン ビューティ コーチング」を開催する。時間は30分間で、購入した商品の使い方や、手持ちアイテムとの組み合わせの確認、日頃のケアの悩みなどの相談に応じる。

<ブランド横断のサービス>

♦ オンラインBAプロジェクト produced by 元美容部員 和田さん。

参加者が普段使っている化粧品を用いて、使用方法や悩みの相談にのり、特定の商品やブランドの販促は行わないのが、YouTuber「元美容部員 和田さん。」こと和田茜氏が率いるBA集団によるオンライン・カウンセリングサービスだ。この「オンラインBAプロジェクト produced by 元美容部員 和田さん。」は、5月に趣旨に賛同する10名のBAとカウンセリング希望者250名の募集を行った。

40分のZoomカウンセリングで、料金は3,000円(税込)。参加後にカウンセリングシートがもらえたり、特別YouTube LIVEが観られる特典付きで、収益は参加した美容部員に謝礼として支払われた。運営元のRooMooN株式会社では、同プロジェクトの趣旨を新型コロナウイルス感染症の影響で雇用状況が悪化している美容部員の支援のためとしている。今後の動きはまだ発表されていないが、継続的なサービス展開となれば、美容部員の新しい働き方につながる取り組みとして注目される。

<期間限定・イベントでのサービス>

♦︎ 東急百貨店×COSMETRO

2020年5月30日に東急百貨店は、渋谷ヒカリエ内ShinQs Beautyに出店しているブランドの化粧品から、美容スタイリストが参加者一人ひとりに合ったアイテムを選んで紹介するオンラインスタイリングとリモートショッピングの体験イベントを行った。

メールによる化粧品のパーソナルスタイリングサービスを展開するCOSMETROとの協業によるもので、COSMETROのサイトから予約した参加者が、送られてきたカルテに回答して返信すると、COSMETRO の美容スタイリストがカルテをもとに各自におすすめの化粧品を事前に選定する方式だ。

オンライン・カウンセリングではZoomを使い、美容スタイリストが化粧品を自身の手の甲や腕に塗って画面越しに示したり、利用者に合った使い方をレクチャーしたりした。料金は1,000円(税込)で、所要時間約30分のうち前半15分がカウンセリングで、気に入った商品があれば後半の時間で購入できる流れとした。

♦︎ RMK×meeco

RMKは、伊勢丹新宿店と三越伊勢丹のコスメ通販サイトmeecoとコラボし、8月から全国で数量限定発売される新製品の先行発売オンラインイベントを6月下旬に開催した。

期間中、新登場のコレクションアイテムの全貌を明らかにするLIVE配信コンテンツをライブ配信したほか、伊勢丹新宿店本館の特設ステージ上にいるRMKアーティストやビューティコミュニケーターが、アイテムを個別に紹介する無料「リモートカウンセリング」を行った。所要時間は1人20分で、気に入った商品はそのままmeecoから購入可能とした。7月15日〜21日には同様のイベントが銀座三越本館を会場に行われた。

LINE公式アカウント上でのカウンセリング

LINEによるオンライン・カウンセリングは、営業時間を設けてすべて有人対応するものと、AIを組み合わせ、営業時間外はAIが応対する24時間対応のものがある。

♦ FUJIMI

オンライン肌診断をもとにパーソナライズサプリメントやフェイスマスクをサブスクリプションで届けるFUJIMIは、5月末からLINE公式アカウントで「FUJIMI コスメコンシェルジュ」のサービスを始めた。専任のコンシェルジュが、利用者の肌に関する悩みに無料で回答するほか、要望に合わせて処方を提案したり、処方の変更手続きも行う。

♦ 明色化粧品

明色化粧品では6月からLINE公式アカウント「明色化粧品 お客様相談室」を開設。平日営業時間内に専任オペレーターが商品の問い合わせや、スキンケア、メイクアップに関する相談などに無料で答える。

♦ 資生堂

資生堂の「LINEで美容相談」では、人間のWebビューティコンサルタントとAIみみちゃんが商品への質問や美容の相談に無料で答える。同サービスは2018年にWebビューティコンサルタントのみで開始し、2019年にAIみみちゃんが導入された。

現在では、利用者は時間帯や知りたい内容によってどちらに質問するかを選べる。AIみみちゃんは「乾燥が気になる」「アイラインの描き方が知りたい」「くまが気になる」「チークの付け方」といった質問に対し、資生堂ワタシプラスのコンテンツ記事に誘導する形で答える。まずはみみちゃんに聞いてみて、分からなかったことやもっと詳しく知りたいときは、Webビューティコンサルタントに聞くといった使い方が可能だ。

ECサイト上で対応の有人チャット

ECサイト上に有人チャットを設置する動きもある。営業時間のしばりはあるものの予約不要で、知りたいことをすぐにたずねられるという点では、実店舗の接客にある意味最も近いかもしれない。コロナ禍以前から導入していたクラランスや、AIチャットボットに期間限定で有人チャットを組み込んだオルビスのほか、文字チャットだけでなく、ビデオチャットにも応対するラリンの例もある。

♦ クラランス

オンライン・カウンセリングも行っているクラランスは2019年10月から、商品についての質問などに答える有人チャットを公式サイトに導入している。加えて今年5月からはカラーアイテムのページにバーチャル・トライオン機能を実装し、ECでの買い物を、商品を試し、分からないことはスタッフにたずねる、という実店舗での行動により近づけた。

♦ ランコム

ランコムは4月から公式ECサイト上で「オンライン美容相談」を始めた。利用者は商品の使い方の手順など、チャットボットにたずねる形で検索することができる。チャットボットが対応できない質問を入力した場合は、人間のeBA(eビューティーアドバイザー)に自動で切り替わる(平日9時から18時の営業時間中のみ)。

ランコム

出典:ランコム ニュースリリース

eBAは、もともとは実店舗のカウンターで接客を行っていた美容部員で、オンラインでもカウンセリングを行うための特別トレーニングを受けている。たとえば、利用者が同ブランドでいくつかラインナップされているUV下地のなかから、自分に合ったものを知りたい、という質問をすると、普段のメイクや肌質をヒアリングし、おすすめの商品を選んでくれる。さらにファンデーションなど、合わせて使えるおすすめの商品もeBA自身が使った感想を交えて提案してくれるなど、実店舗さながらのパーソナルな接客を文字チャットで行う。

♦ オルビス

オルビスでは4月下旬に、以前から公式オンラインショップに設置していたAI チャットサポートで、ビューティアドバイザーによる有人サポートを期間限定でスタートした。利用者は土日を除く13時から18時にAIチャットサポートを開き「【期間限定】BA による美容相談受付中!」をクリックすると20分を目安にBAにチャットで美容に関する相談ができる。
※BAによる有人サポートは9月1日~9月23日の間、サービスを一時休止予定 

オンラインAIチャットサービス1-3

画像提供:オルビス

♦ ラリン

イスラエル発ブランドのラリンでは、オムニアプリツールの「HERO®」を導入し、公式ECサイトを閲覧しているユーザーに対し、実店舗にいる店員がオンラインでも接客できるようにした。予約不要で、文字チャットだけでなく、ビデオチャットにも対応できる点で一歩抜きんでている。ユーザーは公式ECサイト上に設置されたチャットの窓から質問文を送信。すぐに接客対応できる店員がいない場合でも、待ち時間の間にチャットボットが接客に使用する名前をたずねたり、電話番号やEメールアドレスの入力を促し、店員がみつかりしだいSMSやメールで通知するなどの仕組みも設けている。

♦ @cosme SHOPPING

@cosme SHOPPINGではKARTE Talkを利用し、利用者からの質問にチャットで答えるサービスのテストを7月から週1回行っており、近く本格実装を予定している。質問に答えるのはブランドやカテゴリーを横断した商品知識・接客スキルを持つ実店舗@cosme STOREのBAだ。

まだテスト段階だが、利用者は想定より多く、「自分の肌色に合ったファンデーションを選びたいが、どの色味がいいのか」といった、自身のアイテム選びに不安を感じているとみられる質問が多く寄せられているという。EC利用者はこれまで、相談や質問ができないから仕方なくしなかっただけで、あまり確信がないまま、迷いながら化粧品を選び、購入するケースが一定数あったのではないかとの分析も出ている。こうした相談や質問のニーズに応えることで@cosme STOREのBAならではの価値提供を行っていきたいとする。

@cosme SHOPPINGでは、緊急事態宣言下における実店舗の休業期間中には、アルビオン、KANEBO、est、コスメデコルテなど、カウンセリングブランドの使用方法の参考動画を商品ページに設置し、カウンセリングの代わりとするオンライン販売を期間限定で行なった。現在も一部のブランドは参考動画を設置した商品ページで販売を継続しており、今後は有人チャットサービスと組み合わせることで、カウンセリングブランドの新しい販売方法として定着していく可能性もある。

カウンセリングブランドの商品紹介動画

アイスタイルではまた、7月から「オンライン美容部員プロジェクト」をスタートしており、さまざまな実証実験を進めている。すでに開始しているSTAFF STARTの導入支援のほか、美容領域に特化した人材事業を行うアイスタイルキャリアを中心に、オンライン・カウンセリングをはじめとしたデジタル接客を行う美容部員の育成や、デジタル接客の運営ノウハウの提供などのサポートをサービス展開していくとする。さらに、「オンライン美容部員研究所」を立ち上げ、オンライン美容部員サービスに関する事例研究を行うほか、イベント開催などを通して情報提供をしていく方針だ。

Text: 大塚 愛(Megumi Otsuka)
Top image: Dragon Images via Shutterstock

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