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meecoやディオールが利用、美容ライブコマースを支えるMofflyなど4社のサービス

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長引く新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、ブランドと消費者をダイレクトにつなぐ非接触ショッピングの場として、日本国内でも注目を集めるのがライブコマースだ。関連サービスを提供するMoffly、CCCフォトライフラボ、ベクトル、電通ダイレクトマーケティングの4社に各社のサービス内容と運用事例、およびビジネスの状況を聞いた。

■ 株式会社Moffly「TAGsAPI」
アーカイブも活用し長期間の売上を獲得

Mofflyの「TAGsAPI(タグズエーピーアイ)」は、各企業が自社ECサイト上でライブコマースを行えるクラウド型サービスだ。申し込みから最短2週間で配信可能で、美容業界では三越伊勢丹の化粧品オンラインストア「meeco」などが導入している。

meecoでは、三越伊勢丹の実店舗のポップアップイベントと連動し、「イヴ・サンローラン ビューティ ステーション」(1月29日~2月4日)や「ISETAN MAKE UP PARTY」(3月4日~9日)で動画のライブ配信を行った。ブランド専属メイクアップアーティスト、インフルエンサーらが出演し、新商品を使ったメイクルックやハウツーを紹介しながら、配信中に視聴者から届いた質問にも答えた。紹介アイテムのサムネイル画像を動画ウィンドウと同じページに配し、視聴者が気に入った商品をすぐにmeecoで購入できる導線とした。

「イヴ・サンローラン ビューティ ステーション」

出典:イヴ・サンローラン
ビューティ ステーション

三越伊勢丹は具体的数値を非公開としているが、「ライブ配信後もアーカイブを視聴可能としたことで長期間で売上を作ることができた」とする。ライブ配信を観た視聴者が実店舗を訪れ、出演していたメイクアップアーティストの接客を受けたことをSNSに投稿し、それがきっかけでさらに拡散していく現象もあったという。「リアルタイム視聴者向けとアーカイブ視聴者向けに分けてECサイト内サービスを拡充したり、視聴者が実店舗で受けられるサービスを用意することでさらに視聴メリットが生まれ、ライブコマースの拡大に繋げられるのではないか」と、三越伊勢丹は今後の可能性を示唆する。

Mofflyでは、国内外のライブコマースについてわかりやすく解説する動画やブログをYouTubeTAGsAPI公式サイトで公開している。またTAGsAPIを使ったライブコマース機能を導入する企業に対しては、配信レポートの提供のほか、必要に応じて商材に合った集客手法やコンテンツ内容についてのコンサルティングや、撮影サポート、構成作家の紹介なども行う。7月にはスマホ1つでライブコマースの配信ができる撮影アプリもリリースした。今後もさらにライブコマース実施に役立つ便利な機能・ツールを開発していく予定とする。

■ 株式会社CCCフォトライフラボ「Live torutte」
ライフスタイルデータをもとにT会員へプロモーション

Zoomのウェビナー機能を利用したサービスである「Live torutte(ライブ トルッテ)」は7月のローンチ以来、大手百貨店、化粧品会社、家電メーカー、アパレルメーカーなどから多くの引き合いがある。同サービスのライブ配信では、販売員がビデオ通話を介し、接客を希望する視聴者に1対1でオンライン接客をする。加えて、接客中の音声をほかの視聴者にも配信するところが特徴的だ。つまり、視聴者はほかの視聴者の接客の様子を聞いて、自分の買い物の検討材料にすることができる。

Live torutteのイメージ

ライブ配信中、Zoomのウェビナー機能を使って“手を上げた”視聴者を販売員が順番に接客する。販売員から直接接客を受ける視聴者はビデオ通話により顔を合わせて会話するが、ほかの視聴者には販売員側の映像と、やりとりの音声のみが配信され、接客を受けている視聴者の映像は表示されない。ただし、画面には商品画像などが掲出できる。現在のところは、3,000人程度までが一度に視聴できる。

CCCフォトライフラボでは、集客から、販売員へのオンライン接客のノウハウ提供、機材の貸し出し、配信画面のデザイン、配信中の画面操作、フロアディレクションなどを一気通貫でサポートする。とくに、CCCグループのT会員約7,000万人のなかから、商材にあわせてマッチングしてプロモーションできる点は大きな強みといえる。購買実績や行動分析などから起こしたライフスタイルデータをもとに、ダイレクトメールやメールマガジン、サンプリングや店頭プロモーションなどを掛け合わせて、ターゲットを絞った誘導を行うことが可能だ。

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オンライン映えするメイクをレクチャー
出典:ディオール ルージュ シティ

Live torutteを利用して、ディオールが三越伊勢丹の「meeco」上で、ライブ配信「ディオール ルージュ シティ」を実施した。期間限定のポップアップイベントと連動した企画で、伊勢丹新宿店の特設会場で夜21時から配信した。特設ページに設置したリンクから開始30分前より視聴者を受け付けた配信には、ブランドのトップメイクアップアーティストが出演し、まずメイクの実演を行いながら視聴者からの「いま使っているブラシの名前を教えてほしい」等の質問にリアルタイムで答えた。次に視聴者のなかから希望者に1対1でメイクのアドバイスや商品紹介を行い、アーティスト側の映像とやりとりの音声を配信した。あわせて商品画像を進行に合わせて画面に掲出したり、meecoの商品ページのURLをチャットで案内したりもした。配信動画のアーカイブはイベント期間終了後もmeeco内の特設サイトで一定期間公開するという。

■ 株式会社ベクトル「Instagramライブコマースプラン」
インスタライブに特化しサポート

ベクトルPR事業部門の子会社アンティル、プラチナム、イニシャルで提供する「Instagramライブコマースプラン」は、Instagramのライブ動画配信(以下インスタライブ)に特化し、ライブコマースの実施を一気通貫でサポートするサービスだ。

株式会社ベクトル取締役兼株式会社プラチナム代表取締役の吉柳さおり氏によると、具体的には、インフルエンサーやタレントのキャスティングから、配信中や配信後のECや公式サイトへの誘導まで、商材に合わせて行うという。Instagramの機能を活用し、インフルエンサーのアカウントとクライアント企業のアカウント合同によるライブ配信や、2組のインフルエンサーアカウントによる合同ライブ配信などの形態も提案している。

美容関係では、CALEA「FUKUGENドライヤー」(マクセルイズミ)が今年5月末から6月にかけて同プランを利用し、4回のライブ動画配信を行った。

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CALEA FUKUGENドライヤーの
インスタライブ
 画像提供:プラチナム

1〜3回目はインフルエンサーアカウント単体のライブ配信、4回目はインフルエンサーアカウントとクライアント企業アカウントの合同ライブ配信とした。どちらも事前告知と、ライブ配信後に公式サイト・ECサイトへ誘導するためにURL付の投稿をストーリーズで行った。

FUKUGENドライヤーは髪を乾かすドライヤーとしての機能以外に、付属のビューティローラーを使ってローラーに温風を当てながらマッサージするフェイスケアとボディケアもできるのが特徴で、こうした多機能な商材は、使い方が一目でわかり、なおかつリアルな使用感を視聴者とコミュニケーションをとりながら伝達できるインスタライブとの親和性が高い。

ライブ配信中は、「ほしいです!」「どこで買えるんですか?」といった購入に前向きなコメントや、すでに持っている人からの好意的なコメントが多く寄せられたといい、コロナ禍のなか、オンラインで完結する購買導線を作ることができたとベクトルでは考えている。

外部サイトへのリンクが直接張れないインスタライブは、ライブ配信後にアーカイブ動画をIGTVに投稿したり、URL付のストーリー投稿(アカウントのフォロワー数が1万以上の場合に可能)を行うなど並行した施策をする工夫が必要だ。ベクトルではこうしたInstagram投稿に関するノウハウを豊富に蓄積している点も自社の強みとしている。

ベクトルではほかにも、STARP株式会社が展開する簡単にライブ配信が始められるライブコマースパッケージ「Live kit」で、ライブ配信中に商品サンプルの申込みや、画面上から商品の購入ができるサービス「Vストリーム」も提供している。

■ 株式会社電通ダイレクトマーケティング「LIVE★X」
1年後を見据えソーシャルコマースとして運用を

LIVE★X(ライブクロス)」は、電通ダイレクトマーケティングが持つ通販CM制作などの知見を活かし、ライブコマースにおける集客から、配信、獲得までの全体的なサポートをワンストップで提供する。Instagram(配信)、YouTube(アーカイブ)、LINELIVEで展開し、美容商材ではこれまでに脱毛エステ、基礎化粧品などの実績がある。

そのほか、伊勢丹新宿店の「英国展」(2019年10月)のインスタライブなどを手掛けた。催事場を廻りながら人気商品をレポートする形式で紹介した同施策では、ライブ配信の告知時、配信中、配信後にストーリーズやレポーターの口頭で視聴者をEC へ誘導。その結果、ECで紹介した商品は12カテゴリー全てで完売した。加えてKPIにしていた30代〜40代の獲得売上が、ライブ配信を行わなかった前回の英国展に比べ10%増加した。

ライブコマースにはSNS活用と集客という2つのポイントがあると電通ダイレクトマーケティングは考えている。企業がライブコマースの実施を初めて検討するとき、単発の施策であってもファン獲得への期待値が大きくなりがちな傾向にあるという。しかし、SNSで一度だけの投稿では沢山の「いいね!」は得られないように、ライブコマースを始めるにあたっても、事前に紐づくSNSアカウントを有効に活用し、視聴してくれるよう“温めておく”ことが重要だ。

EC上での購買につなげるマーケティング手法として、SNSなどソーシャルメディアを活用した「ソーシャルコマース」の手法があるが、初めてのライブコマースは、まずは半年〜1年後に結果を出すためのソーシャルコマースにおける最初のコミュニケーションとして捉えるべきだという。

集客については、企業アカウントのフォロワーが少ない場合、ライブ配信の視聴者数を増やすには、ブランドイメージや商品カテゴリーなどに合ったインフルエンサーのキャスティングが非常に重要になってくる。そして、視聴者を購買へ誘導するために、Instagramであればストーリーズやショッピング機能を活用した導線設計をしていく必要がある。電通ダイレクトマーケティングでは、こうした面でもノウハウを生かし商材に合わせたサポートが可能だとしている。

Text: 大塚 愛(Megumi Otsuka)
Top image: Live torutte

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