「透明性の追求、成長戦略を描くクリーン&エシカルビューティ」:New Year Special 2021 その3
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パンデミックがもたらした新ノーマルな生活習慣への対応に追われた2020年が終わり、2021年が幕を開けた。この年末年始、BeautyTech.jpではこの1年の美容業界の動きを振り返るとともに、新しい年の行方を示唆するキーワード5つを選出して、関連記事をまとめて紹介する。第3回は「透明性の追求、成長戦略を描くクリーン&エシカルビューティ」である。
コロナ禍でウエルネスを志向する傾向が高まり、化粧品にも体に有害な成分を排除し、サステナブルで、かつエシカルなものを求めるクリーンビューティの動きが世界的に加速している。国内では、地方・地域発、地元地域に還元するエコサイクルにもとづいたソーシャルコスメティクスの価値が見直され、美容の垣根をこえてエシカルなライフスタイルそのものを提案するMade in Japanブランドが登場し、注目が集まっている。
その一方で、「エシカル」「クリーン」「グリーン」に関しては、オーガニックにおけるCOSMOS認証のような国際的な統一基準がなく、定義が曖昧だという問題が常につきまとってきた。そうした不透明性の問題に対し、欧米では、ブロックチェーン技術を使ってブランドの主張の信頼性を検証・開示するサービスや、ブランドの好ましくない行為などをチェックするSNSアカウント、各プラットフォームに散らばるクチコミをまとめて可能な限り偏りのない情報をパーソナライズして提供するサービスなどが続々と登場している。見せかけだけのフィロソフィーや文脈は、顧客に見破られ、通用しない時代に突入しているのだ。
クリーンでエシカルであることがいまや当たり前の欧米では、そこに多様性・包括性やウエルネスといった文脈を取り込みながら、新たな成長戦略を描く新興ブランドも出てきている。
Image: Netrun78 via Shutterstock
日本の動き
●アルデバランがめざすSDGs時代のソーシャルコスメティクスは地域発、地域に還元
●日本発のエシカルブランド「athletia」が提示する「美とはライフスタイル」の全容
●MiMCがプレミアムエタノールを採用、日本発クリーンビューティD2Cとしての存在感
●ロハコ「Go Ethical」、ロート製薬など各社参加で化粧品アウトレットの新しい試み
●植物療法研究から生まれた新ブランドWaphyto、抽出テクノロジーで世界へ
●マッシュビューティーラボ、コロナ禍でも躍進の強さは3つの柱からぶれない経営
海外の動き
●Estée Laundryは透明性、Miraは公平性。米国の美容ブランドが一目置くサービス
●オーガニックやハラル認証の「取得戦略」、グローバル市場で求められる信頼性とは
●ブロックチェーンでヴィーガンやエシカルなどの信頼性を開示する英Cult Beauty
●ロレアルがコロナ危機も見据え、2030年までに地球と共存できるビジネスモデルへ
●セフォラ VS ウルタ&Credo Beauty連合が牽引する米国クリーンビューティトレンド
●ヴィーガンコラーゲンや廃棄物活用などサステナブル化粧品原料の開発ラッシュ
●2021年に向けた米国クリーンビューティブランドの成長戦略と、新たな方向性とは
New Year Special 2021 そのほかの回はこちら
(1)「日本の新興コスメブランド、ヒットの計算と情熱と」
(2)「加速するDXで変わる新ノーマル時代の接客と販売」
(4)「美容ほか大手企業が牽引するオープンイノベーション」
(5)「2021年も美容業界が注目すべきトレンド領域」
Text: 小野梨奈(Lina Ono)
Top image: umiberry via Shutterstock