2022年振返り: ビューティテックにおける最も印象的なトピックランキング10
2022年最後の記事は、この1年を振り返り、編集部としてもっとも印象に残ったキーワード・トピックスを10個選んで、ランキングとして紹介する。
第10位 中国・日本のフレグランス
中国も日本も多様なフレグランスの使い方に目覚めた年
BeautyTech.jp編集長 矢野貴久子が『WWDJAPAN』への寄稿記事「日本が、やがて香水砂漠ではなくなる理由」でも触れているが、消費が伸びず香水後進国といわれた中国や日本で「フレグランス」が日常使いされるようになってきている。中国は高級志向も強く尖った香水、日本はどちらかといえば個々人の好みを深く追求している印象だ。オルビスが新ブランド「HELENUS」から出した、「“自然ないい匂いの人”を叶える」コンセプトのボディオイルは「これまでフレグランスを使うことに躊躇していた層」を開拓する動きとして印象に残った。
第9位 過剰在庫と機会損失の低減
需要予測やサプライチェーンマネジメントへの取組みがより活発に
大量廃棄にもつながるアパレルや化粧品の過剰在庫問題と、それを解決するための予測システムやサプライチェーンマネジメントにどのように取り組んでいるのか、ブランドは社会的にしっかり説明を果たすべきステージにきている。同時に、適切な在庫管理はビジネスでの機会損失を防ぎ、商品が欲しい消費者に確実に販売することで利益を確保できる。オムニチャネル化が進むなかで、買い方の自由度が増した2022年において、重要ワードのひとつといえる。
第8位 常在菌への多様なアプローチ
皮膚常在菌の活用に向けた多彩なアプローチが登場
ランコムの「美肌菌」がバズワードになったのは2020年、2022年は「皮膚常在菌をコントロールして肌を健やかな美に導く」というトレンドがさらに盛り上がり、多くの企業が参入するなど、一気に注目を集めた年となった。どのように常在菌にアプローチするかは、各社各ブランドで手法が異なる。また「生きた菌」を届ける技術を開発したイスラエルのスタートアップも登場した。
第7位 顧客とのエンゲージメント
CRMやMAの進化でマーケターが本来の仕事に回帰できる
「デジタルマーケティング」を単独として取り出すのではなく、大きなくくりの「マーケティング」にすべて集約されていくことを強く感じた1年だった。消費者行動や属性などさまざまなデータがとれる時代にあって、いかに一人ひとりの顧客と寄り添い、顧客が必要としているコトやモノをどう届けるか、マーケティングはそのためにあるという方向性がより明確になった。
第6位 メタバース・NFTへの参入
イノベーター、アーリアダプター層とのコミュニケーション
バーチャル店舗の立ち上げを経て、メタバースに参入したり、NFTをブランドエンゲージメントのために活用するなど、欧米を中心にさまざまなブランドが本格的なトライアルを重ねた年だった。すぐに売上につながるわけではないこれらの施策の目的は主に2つだ。まずは、新技術に慣れること、使いこなすこと。そして、こうしたバーチャル空間にすでに熱狂しているアーリーアダプターの顧客とのつながりをつくるためである。小さな施策でも手探りでもいいから、早く始めて社内にナレッジを蓄積することで数年後の成果につなげようという、イノベーション分野で成功している美容企業の姿勢が明らかになった。
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