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韓国EIGENEが日本上陸、ブランドが目指したいパーソナル接客をトータルサポート
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韓国EIGENEが日本上陸、ブランドが目指したいパーソナル接客をトータルサポート

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韓国の美容企業をはじめ、さまざまな業種のDXを牽引するEIGENE(アイゲン)は、人工知能(以下、AI)をベースにしたソリューションで、セールスイノベーションを支援するビッグデータ企業だ。パーソナライズレコメンド機能など、ECとリアル店舗の双方でユーザーの購買体験を向上させるサービス、また、販売促進、商品分析、需要予測など、クライアントニーズに沿って低コスト、短納期のソリューションを実現している。2022年2月より日本にも上陸した同社の運営室(ソリューション運用チーム)リーダーを務めるソ・ユンホ氏に、サービスの詳細と優位性について聞いた。

韓国大手企業がパーソナライズプラットフォームとして導入

EIGENEは、韓国トップの理系大学、韓国科学技術院(KAIST)出身の30代メンバーが中心となり、2019年12月に設立された。設立時はクライアントのビッグデータ解析ツールやAIツールの開発委託を受けるSI(システムインテグレーター)として活動してきた。

個別企業のシステムを開発する過程で、各産業の商習慣や顧客特性などを知見として蓄積。その後、より多くの企業が効率的に独自ソリューションを導入できるように、SaaSモデルのプラットフォームをリリースし、韓国でも注目を集め、コロナ禍による企業のデジタルシフト活発化を追い風にクライアントの数を着実に増やしている。

美容分野でもアモーレパシフィックのイニスフリー(Innisfree)アリタウム(Aritaum)、MISSHA等の人気ブランドを持つAble C&Cなどの企業やブランド等をはじめ、美容インフルエンサーに特化したMCN(マルチチャンネルネットワーク)企業のDMIL、小売大手のオリーブヤング(Olive Young)ロッテホームショッピングCJmall、そのほか、スターバックスIKEA、韓国書店最大手の教保文庫など、70社余り(2022年7月時点)がEIGENEのAIソリューションを導入している。

EIGENEのAIソリューションイメージ

プラットフォームに搭載された複数のソリューション

EIGENEは、マーケティングと顧客接点の領域に特化したさまざまなAIソリューションを用意しており、クライアント企業は必要に応じて組み合わせて使える。これまでは、各機能を別々のソリューション企業から導入して使う必要があったが、EIGENEのソリューションを利用することで、すべてトータルで解決できるとうたう。

まず「Eigene RECO」は、行動データをベースに消費者にパーソナライズされた商品をレコメンドするソリューションだ。なかには、消費者のリアルタイムクリックや購入行動に合わせたレコメンドを行う「リアルタイム個人化レコメンド」をはじめ、購入、カート、ウィッシュリスト追加などの行動履歴から、関心項目カテゴリー、ブランド、タグなどを自動抽出し符合した商品をレコメンドする「嗜好レコメンド」や、同様の好みを持つ他ユーザーを見つけ出して共通性から商品を提案する「ドッペルゲンガーレコメンド」、また、天気、位置、購入サイクルなど特定の業種・状況に最適な商品を推薦する「TPOレコメンド」などがあり、これらを組み合わせることで、100種類以上の細かなレコメンドシナリオが用意されている。

TPOレコメンド

一方、「Eigene PERSONA」は、ユーザーを多角的にプロファイリングすることで、ストーリーテリング形式のパーソナライズを実現するソリューションだ。クリックや購入データをベースに利用パターンや嗜好性を微細に類型化する「超細分化」や、ユーザーのペルソナを可視化する「消費者診断」、レコメンドの際に推薦理由を伝える「ストーリーテリングレコメンド」などの機能がここに含まれる。

Eigene PERSONA

このほかにも、UI キットでサイトのデザインやレイアウトなど別途の修正が必要なく、流入から注文完了までに分岐する行動シナリオに沿って、チャットボットで最適なレコメンドを行う「Eigene CuBOT」もある。これは、ページ別に消費者トレンドとレコメンドロジックを組み合わせることで、豊富かつリアルタイムな“超個人化シナリオ”が設計できる。

また、トレンドとなっているアイテムやキーワードをリアルタイムでユーザーに表示する「Eigene RTS」や、レビューや商品情報から分析した重要キーワードを発掘できる「Eigene Keyword」などのソリューションが盛り込まれている。後者の機能は、これまでマーケティング担当者が長い時間をかけてデータを読み込み、直感からブランドにとっての重要キーワードを拾い上げていた作業の大部分を自動化できるものだ。

Eigene CuBOT
Eigene RTS

EIGENE 運営室(ソリューション運用チーム)でリーダーを務めるソ・ユンホ氏はは「化粧品クライアント事例では、商品の値段やブランド、カテゴリーに関するデータだけでなく、製品の機能やユーザーの肌の悩みに関するユニークデータを用いたレコメンドを形にすることで、消費者の顧客経験を改善しリピーターを増やした実績が多数ある。コンバージョン率は平均で2倍に増加、一人当たりのページビューは3倍増加している」と話す。

クライアント企業の1社で、美容特化MCNでインフルエンサーたちが選ぶ商品を販売するECプラットフォームMillionsを持つDMIL社からは、「これまでビューティ業界で主に使われていた年齢、性別といった指標とともに、我々が蓄積した肌、ボディ、顔、パーソナルカラーに関する情報を活用して、ほかのビューティプラットフォームと差別化したサービスが提供できている」とのフィードバックも寄せられている。

あわせてソ氏は、「現在、取引額ベースで年間10兆ウォン(約1兆円)規模のデータを収集・分析・活用している」としたうえで、サービス提供の背景について次のように説明する。

株式会社EIGENE 運営室 リーダー ソ・ユンホ氏
プロフィール/2015年、EIGENEの前身である株式会社RecoBellの運営チームのリーダーを務め、超個人化レコメンドソリューションのSaaSモデル開発を企画。また、アモーレパシフィック、W COMCEPT、SHINSEGAE、HANSSEMなど韓国の大手企業へのソリューション導入から運営まで支援。アイゲンの創業以来、およそ60社の韓国大手企業へのAIソリューション導入を成功に導いた 

「レコメンド機能についていえば市場に登場して10年以上が経過し、これまではアマゾンなど大手ECを中心に活用されてきたが、近年では各企業やブランドが自社モールを活発に運営するようになり、それぞれの企業やブランドに特化したソリューションの需要が増えはじめている。私たちは韓国国内のさまざまな業界の大手企業とともに、データをより効果的に活用しセールス業務を改善する方法を追求してきた。技術力はもちろんだが、より重要なのは導入先のビジネスを理解して、各ソリューションをフィットさせることだ。多様なデータやアルゴリズムを活用して、各企業のニーズと実情に合ったカスタマイズ機能を提供できるのが、私たちの強みだ」(ソ氏)

同プラットフォームでは、ソリューション提供、導入のサポートだけではなく、クライアントが望めば、導入コンサルティングやカスタム開発サービスも提供する。

韓国では、EIGENEのように、AIレコメンド技術を保有しつつ、かつカスタマイズ開発やソリューションの運営・高度化サポートまでトータルで行う企業は珍しい。オンラインとオフラインの連携、さらに店舗のDXに特化したAIレコメンドソリューションは、グローバルでもあまり類をみないと同社ではみている。

「すでにデータを保有している企業・ブランドであれば、精度の高いパーソナライズレコメンド機能などをすぐに実装することができる。一方、データがまだない、もしくはこれから集めようとしている場合でも、十分な効果を発揮できる機能群を利用でき、かつデータを蓄積しながらAIツールをカスタマイズしていくことができる。コンサルティングから実装までにかかる時間は1~2カ月だ。各企業内にエンジニアがいなくても、ノーコードで簡単に導入できるのが特徴だ」(ソ氏)

日本でのEIGENEのプラットフォームの利用については、導入支援を行う日本代理店のFENCELESSの宋永旺氏が以下のように説明する。

「利用料金としては月額固定課金と従量課金があり、いずれも各クライアントが自社で開発・運用するよりも、圧倒的に低価格での利用が可能になっている。過去には、年間で80%近くまで予算を圧縮できた事例もある」(宋氏)

自社で同様のプラットフォームを開発・運用した場合、初期費用と年間運営費用でおよそ6,000万円かかるケースが、EIGENEのソリューションを利用することで、年間480万円程度の支出に抑えられたクライアントもあるという。また、こうした運営を担うエンジニアを自社で抱えなくてもノーコードで運用ができるという。

さらに、EIGENEでは、需要予測機能や行動履歴をもとにパーソナライズされたメルマガ・プッシュ通知を行うパーソナライズ・マーケティング(eDM)機能など、レコメンド以外の機能も多岐にわたって開発・提供している。

目指すのは、ブランドが目指したいパーソナル接客の簡単な実現

オムニチャネルやOMOにも対応している点も、EIGENが提供するソリューションの特徴だ。ECで収集・解析したデータでカスタマイズしたレコメンド機能は、リアル店舗やドライブスルーなどに設置されたデジタルサイネージなどと連動させることができる。同様にリアル店舗からECへという逆の流れの誘導も可能だ。日本では、店舗とECの顧客データが統一されていないことも多いが、その段階からEIGENEに相談することもできるとする。

「コロナ禍以前、韓国では大手企業の多くが業界を問わず、OMOやオムニチャネル化への投資を強化する動向があった。ただコロナ禍によって、一時、デジタルに投資を集中させる流れが生まれた。事態が収束すれば、リアル店舗とECを融合させる施策に投資を再開するだろう」(ソ氏)

リアルとデジタルがよりシームレスに繋がっていくなか、EIGENEが目指すのはあらゆる場所でAIによる接客が受けられる世界だ。

「私たちの最終的な目標は、ECでもリアル店舗でもAIが人間のスタッフのように接客できるようにすることだ。その手前の段階として、スタッフがレコメンドに迷った際のサポートや、新人スタッフの能力向上・教育にAIを活用できるようにサービスをブラッシュアップしていきたい」(ソ氏)

DXの推進が急務とされ、ビジネスの現場におけるAIやデータの重要性とその活用が強調されている現状だが、多くの企業・ブランドにとって人材、コスト、運用面におけるハードルは高い。簡単に実装できるEIGENEのSaaS+カスタマイズサービスは、そのハードルを大きく下げてくれるソリューションのひとつといえる。

「オンライン市場の活発化とリアル店舗のDXは、韓国のみならず世界的に逆らえない潮流だ。より高度なレコメンドで他社と差別化したいクライアントが増え、新たな実験も進んでいる。私たちはこれまで蓄積してきた経験とノウハウを生かし、日本市場でも企業・ブランドの成長を支えていきたい」(ソ氏)

Text: 河 鐘基(Jonggi HA)
Top image and photo: EIGENE

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