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商品読み取り自動認識技術「RFID」×化粧品業界の潜在力と未来

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サステナビリティやクリーンビューティへの消費者の関心の高まりを受け、グローバルでは化粧品の原料や製造過程の透明性に対して注目が集まっている。同時に、オン/オフラインをシームレスにつなぐオムニチャネルの展開に注力するブランドが増加するなか、適切な在庫管理やルーティングも業界内の課題として浮上している。こうした複合的な問題を解決するための有用な技術の1つとして挙げられるのがRFID(Radio Frequency Identification、アールエフアイディー)だ。化粧品業界においてRFIDを導入するメリットについて、RFIDの世界最大手であるAvery Dennison Smartrac(エイブリィ・デニソン・スマートラック)に話を聞いた。

IoTの原点となったRFID

RFIDとは、無線周波を使用してタグから識別情報を読み取る技術で、スキャナーで1つずつ情報を読み取らなければならないバーコードなどと比較して、わずかな時間でタグを大量にスキャンして商品固有のIDを収集できるのが特徴だ。

Avery Dennison SmartracのRFIDタグ

Avery Dennison Smartrac(エイブリィ・デニソン・スマートラック)はRFIDの最大手グローバル企業で、RFID、QRやBluetoothタグなどのデジタルトリガー、またそれらのトリガーから得られたデータを収集・解析するためのプラットフォーム「atma.io」を提供している。つまり、タグで各製品に個別IDを付与し、atma.ioで収集したデータをもとに、製品やその各原材料の来歴、移動経路などを簡単に追跡することを可能にしている。

データ収集プラットフォーム「atma.io」のイメージ

またatma.ioは、製品・原材料がサプライチェーンを行き来する間に、どれほどのCO2を排出しているかを企業や消費者に情報提供する「Real-time Carbon Impact Analytics」などの機能も備えている。

1935年創業の同社は、世界で初めてあらかじめ裏面に糊がついたシールを作った会社としても知られている。現在の事業ポートフォリオのメインもシールビジネスで、シャンプーやワインのボトル、ヘルスケアグッズ、衣料品などの品質表示ラベル、サッカー等のプロスポーツのユニフォームに貼り付けられた企業ロゴや背番号などに同社のシール製品が使用されており、モノに“アイデンティティ”を与えることが事業のコアとなっている。

Avery Dennison Smartrac Japan マネージングディレクター 加藤順也氏
プロフィール/ LVMHグループ、Kurt Salmon US を経て2011年にAvery Dennisonに入社、2019年4月から現職。 小売業や消費財メーカーへのコンサルティングやソリューション開発が専門。 Avery Dennisonにおいて、マーケット開拓やRFID導入プロジェクトをリードし、日本支社の成長を牽引。 上智大学卒。UCバークレーHaasビジネススクール DLAP修了

Avery Dennison Smartrac Japan マネージングディレクター加藤順也氏は、自社について「私たちの事業の根底はモノにIDを与えることだと捉えている。30年ほど前から、モノのアイデンティティもフィジカルからデジタルに移行すべきという戦略のもと、RFID事業がスタートした。2021年の売上は約1,000億円(約7億ドル)で世界シェアの約60%を占める。RFID関連のビジネスは、アパレル、食品、物流、そして化粧品と着実に広がっている状況だ」と説明する。

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