マツモトキヨシ、店頭の顧客ニーズからいち早くオーガニックPBを出した先見の明
◆ English version: In Japan, two major companies take the lead in organic cosmetics
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世界的にClean Beauty台頭の流れでオーガニックコスメが大きなトレンドのひとつであることは、BeautyTech.jpでも繰り返し取り上げてきた。日本でも、オーガニック化粧品市場は毎年3〜4%の伸びを示し、美容度が高くテックに親しむ層がオーガニックコスメに高い関心をもっていることが編集部調査からも判明している。実際に日本市場ではオーガニック化粧品はどのように広がってきているのだろうか。ひとつの仮説は、マスマーケットからの「ボトムアップ型」だ。
欧米では、オーガニック、植物性原料の化粧品は、セレブや意識の高い層から広がり、一般人にも浸透しつつある。また中国などアジア市場でのオーガニック人気は、先日のコスモプロフアジア香港でも鮮明だった。一方で日本でのオーガニック化粧品マーケットは、セレブが火付け役というよりは、ドラッグストアやスーパーマーケットが高品質・低価格でじわじわと開拓してきた。早くから顧客ニーズに気づいたマツモトキヨシ、米国のムーブメントと同じように食から化粧品へオーガニック市場を広げるイオン、そして、小林製薬グループが手がけるニッチなオーガニック化粧品。3回に渡りそれぞれの背景を探っていきたい。
ゆるやかな成長の背景で起こっていること
米国の調査会社Persistence Market Research によると、2016年、世界のナチュラル・オーガニック市場は、110億5,700万ドル(約1.6兆円)。2024年までに220億ドル(約2.4兆円)になるという。以前こちらの記事でも詳しく紹介したとおり、グローバルでも無視できない存在になりつつあるミレニアル世代が、オーガニックや環境に配慮した製品を支持する姿勢が強いことも、市場の拡大を後押ししているといえるだろう。
日本では、2017年度の国内自然派・オーガニック化粧品市場(出荷金額ベース)は前年度比104.9%の1,297億円、2018年度は前年度比104.1%の1,350億円が見込まれている。
※出典:矢野経済研究所
「自然派・オーガニック化粧品
マーケティング総鑑 2018年版」より
この表を見ると、日本の自然派・オーガニック化粧品市場は3〜4%の成長を維持している。この成長の原動力となっているものは何かを考えたとき、今から約10年前に開発に着手し、2012年に発売したブランド「アルジェラン」でオーガニック化粧品分野にいち早く切り込んでいった、マツモトキヨシの存在が大きいのではないだろうか。その背景について、関係者に話を聞いた。
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