中小の美容サロンや化粧品ブランドも導入しやすくなったデジタル施策、リアルの体験価値を加速【ビューティテックシンポジウム2023】
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中小のブランドや小規模サロンなどでも手軽に使いこなせるデジタル機器やソフトウェアが増え、データを見ながら接客や顧客体験の向上が実現しやすくなった。リアルの体験価値がますます重要視される時代、その感動の質を高めるために、どのような施策が進められているのか。バーチャルトライオンや肌診断などAR/AI技術のリーディングカンパニーであるパーフェクト株式会社 代表取締役社長 磯崎順信氏と、日本最大の美容ポータルサイト@cosmeを運営する株式会社アイスタイル 代表取締役社長 COO 遠藤宗氏が、ビジネスにおけるデジタルとリアルの両輪のあり方を語り合う。
デジタルの普及が高めるリアルな体験の特別感
2023年9月25日〜27日に東京ビッグサイトで開催された「第22回ダイエット&ビューティーフェア2023」において、「リアル体験こそが差別化戦略、そのためのデジタルとは」と題して、BeautyTech.jp編集部が共催して「第6回ビューティテックシンポジウム」が開かれた。今回は二部構成で、デジタルが普及する美容業界の現状の紹介に加え、第二部ではパーフェクトやアイスタイルのトップマネジメントが登壇し、リアルのサービスを支えるビューティテックを基本テーマに講演やディスカッションが行われた。
第一部では、株式会社アイスタイル プロデューサーの宮島沙織氏が、リアルでのサービスを支える美容領域のテクノロジーについて解説。パンデミックを経て、ビジネスにおけるデータやデジタルテクノロジーの活用が一気に進み、オンラインやSNSでの会話やライブコマースなど、美容分野では消費者とのコミュニケーションがより簡単かつ幅広くなり、可能性が大きく広がったことを宮島氏はBeautyTech.jpの記事事例を用いて説明した。その結果、実際に生身の人間同士が対面するリアルな接客が、特別感のある、より信頼性が高くパーソナルな体験として価値を高めていると宮島氏は指摘する。
パーフェクトの新提案、エステサロンでの顧客とのコミュニケーションを高める「Skincare PRO」
2015年創業、台湾に本社を置くグローバル企業パーフェクトは、5億8,000万ダウンロードの旗艦アプリ「YouCamメイク」をはじめとする、全4アプリ合算で10億ダウンロードを突破。企業向けにはバーチャルメイクやバーチャル試着、AI診断機能などAR/AI技術を駆使したSaaS型プラットフォームとして提供し、世界600以上のブランドで導入されている。
パーフェクト株式会社 代表取締役社長の磯崎氏は、「バーチャルトライなどのARは本物と見分けつかないくらいの再現性を目指して、自社AIのアップデートに努めてきた」と話す。同時に「我々の技術はあくまで消費者とブランドをつなぐ接点となるツールであり、デジタルを使ってリアルをいかに活性化できるかという観点に立ってサービス設計をしている」とする。
そして先ごろリリースされたのが、磯崎氏が「必要な機能を厳選して装備し、タブレットひとつで、誰にでも使いやすい簡単な操作性で店舗スタッフの接客をサポート、ユーザーのサロン体験を向上させる」と説明するAI肌解析ソリューション「Skincare PRO」だ。エステサロンや皮膚科クリニックでの利用を主に想定しており、カメラからの画像をもとに、しみ、シワ、キメ、うるおい、テカリなど14項目でAIがユーザーの肌状態を即座に解析、結果をスコアとUIで表示する。また、肌悩み別の改善シミュレーションもできるという。
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