見出し画像

創業4年で日本上陸、アジア人の肌質に着目した中国ベースメイクブランド「FUNNY ELVES 方里」

◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

アジア人の肌のための新しいベースメイクを掲げる、中国で話題の新興ブランド「FUNNY ELVES 方里」は2024年11月、日本に進出した。パンデミック下で誕生したベースメイクブランドが、なぜ急成長できたのか。同ブランドの成り立ちを紹介するとともに、その成長要因を探る。


パンデミック中にリリース、2024年のダブルイレブンで大ヒット

中国では2019年頃まではビューティ関連の新興ブランドの立ち上げが相次いだが、コロナ禍以降、その数は激減している。そうしたなかで最近話題となっているのが、2020年5月にローンチしたベースメイクブランド「FUNNY ELVES 方里(ファニーエルヴス ホウリ)」だ。

同ブランドは、2024年の「ダブルイレブン(双11)」でも存在感を示した。現地の報道によると、Douyin(抖音)での売上が8.8%増。FUNNY ELVES 方里の第一弾商品である「ソフトマットプレストパウダー」のダブルイレブン限定版は、1週間でGMV(流通取引総額)が2,200万元(約4億6,000万円)を超えたという。

ダブルイレブンで販売が好調だった「ソフトマットプレストパウダー」
出典:FUNNY ELVES 方里 Weibo公式アカウント

コロナ禍という逆風のなか創設されたFUNNY ELVES 方里だが、ブランド立ち上げの翌年の2021年のオンライン売上が2億元(約104億5,000万円)を突破。2022年には、中国の人気スキンケアブランド「Winona(薇諾娜)」を運営する Botanee Group(ボタネ グループ:雲南貝泰妮生物科技集団)がリードするシリーズAラウンドで、数千万元規模の資金調達をした。

繊細なアジア人の肌のためのベースメイクブランド

中国メディアによると、創業者の楊菊(通称:菊子)氏は中央美術学院を卒業後、2008年に化粧品のオンラインショップを開設し、2013年までに13の海外ブランドの代理販売権を獲得した。しかし、アジア人が大半を占める中国市場に出回るファンデーションの9割が海外ブランドであることに違和感を覚えるようになる。それがのちにFUNNY ELVES 方里を立ち上げる動機となった。

楊氏は2015年、北京市から杭州市へと拠点を移す。杭州といえばアリババグループ(阿里巴巴)の本社があり、当時、ECやデジタルマーケティングの分野で最先端の都市だった。KOLが注目されはじめた時期でもあり、楊氏はMCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)を立ち上げてKOL(キー・オピニオン・リーダー)のマネジメントを始め、その仕事を通じてデジタルマーケティングを学ぶことになる。

ここから先は

3,191字 / 4画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。