中国「BIOHYALUX」と「WINONA」、不況でも高成長のブランドを支える共通項はバイオテクノロジー
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不況が続くなかで、売上高伸長率がともに2ケタと急速に成長している中国の化粧品企業がある。BIOHYALUXなど14のスキンケアブランドを展開する「華熙生物/Bloomage Biotechnology(ブルーメイジ バイオテクノロジー、以下ブルーメイジ)」と敏感肌向けスキンケアで知られるWINONAなどのブランドを擁する「雲南貝泰妮生物科技/ Yunnan Botanee Bio-Technology Group(ユンナン ボタネ バイオテクノロジー グループ、以下ボタネ)」だ。ともにバイオテクノロジー領域のR&Dを得意としていることが共通点でもある。この2社について、その成長性の理由を探る。
伸び悩む中国化粧品市場で伸び盛りの2社、共通点はバイオテクノロジーの強み
両社はともに、2023年7月にWWDJAPANが発表した2022年度ビューティ企業TOP100の中にランクインしており、ブルーメイジは47位、ボタネは56位だった。驚くべきは前年比売上高進捗率で、このランキングに登場した100企業のうちブルーメイジが52%増で1位となり、ボタネは32%で6位となった。中国ブランドの機能性化粧品として、消費者から高い信頼感を得ているであろうことはこの進捗率にみてとれる。
ちなみに、完美日記を擁するヤッセン・ホールディングは2021年度のTOP100では39位だったが、2022年は62位に順位を落としている。今回勝ち組となった2社の共通点は、ともにR&D、なかでもバイオテクノロジーに強みがあることだ。
化粧品原料のヒアルロン酸生産からスタートしたブルーメイジ
ブルーメイジは、2000年に趙燕氏によってヒアルロン酸メーカーとして山東省済南市で創業。2012年にスキンケアブランド「BIOHYALUX(潤百顔)」をローンチした。2017年にはフランスの医療機器メーカー「Revitacare」を買収。その翌年には医療美容ブランド「Aqualuna」を立ち上げるなど、医療美容分野にも進出しているが、2023年上半期決算報告書によれば、スキンケアブランドの売上が全体の63.9%を占めている。同社は14のスキンケアブランドを展開しているが、主力はBIOHYALUXのほか、「QUADHA(夸迪)」「Bio-MESO(肌活)」「MEDREPAIR(米蓓爾)」の4つだ。
2019年には上海証券取引所の新興ハイテク企業向け市場「科創板」に上場。2020年には日本に「ブルーメイジ バイオテクノロジー ジャパン」を設立し化粧品原料を展開している。
中国の景気が悪化するなか、ブルーメイジの2023年上半期の売上高は、前年同期比4.8%増の30億7,561万元(約629億円)と成長を維持している。売上の内訳は、原材料が5億6,700万元(約116億円)、医療端末が4億8,900万元(約100億円)、機能性スキンケアが19億6,600万元(約402億円)としている。堅調の要因は、製品のクオリティへの信頼性の高さにあるとみられる。同社は研究開発を重視し、2023年上半期の研究開発費は前年比4%増の1億8,670万元(約38億円)だった。これは売上高の6%を占め、研究開発に携わった人員は813人に及ぶ。
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