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フェムテック起業家が日本でも増える予感、ムーブメントの先導者たちに聞く

◆ English version: Meet the FemTech pioneers shaping Japan’s future
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フェムテック市場の注目度の高さは、これまでも記事で紹介してきたが、2019年2月15日に東京で開かれたイベント「女性向け新市場 『フェムテック』最新動向と可能性」には、主催者の予想を大きく上回る参加者が集まり、盛況となった。欧米で盛り上がるフェムテックは、日本でも着実にムーブメントになりつつある。

立ち見が出るほどの盛況が物語る、フェムテックへの熱い期待

合同会社pilot boatビタミン株式会社が主催した「『フェムテック』最新動向と可能性」は、フェムテックの認知度が低い日本において、「フェムテックそのものについて学ぶ基本的な内容にしたい」と企画された。

当初、参加者はごく少数になると予想していたが、新しいビジネスチャンスを狙うスタートアップや投資家を中心に参加者は70人を超え、立ち見が出るほどの盛況だった。参加者の過半数が女性だったことについて、「これまで手がけてきたテック系イベントの経験からいうと非常に珍しく、女性の当事者意識や関心の高さを感じた」とpilot boat代表の納富隼平氏は話す。

イベント会場の様子( Photo by TAISHO
イベントで使用されたスライドは
こちらから

Photo by TAISHO

パネルディスカッションでは、ノンワイヤーブラ「BELLE MACARON」を販売するashlyn代表 小島未紅氏(上記写真・左)と、基礎体温計測のウェアラブルデバイスを開発したHERBIO代表 田中彩諭理氏(同・右)が登壇。ステージ上のディスカッションに参加者も加わったり、イベント終了後の懇親会では参加者同士がそれぞれのビジネスアイディアや考えを意見交換したりと、会場は終始熱気に包まれた。この盛況ぶりこそ、フェムテックへの期待が日本でも静かに高まりつつある表れだろう。

イベントの参加者には、フェムテックビジネスを新しくスタートさせたいという起業家2名も訪れていた。どちらも、日本ではまだ手に入りにくいフェムテック関連プロダクトを扱う予定だという。

自身の生理の悩みから、ナプキン不要の生理用下着ショップをオープン

寺尾彩加氏は、生理用品不要のサニタリーショーツ「THINX」を取り扱うセレクトショップ「Period.」を3月20日にオープンしたばかりだ。たまたまネットでTHINXの存在を知り、その革新的な商品に衝撃を受け、すぐに自身でも使ってみたいと注文したことがきっかけだった。

Period. のトップページ

THINXと出会い、「生理が決まった日程できちんとくることは健康の証で、自分の健康チェックができる期間でもある。だからこそ憂鬱に過ごすのではなく、もっと快適に、今まで感じていたストレスを軽減して過ごしたい。それを叶えるアイテムがこれだ」と思うようになった。また、サニタリーアイテムだけでなく、フェムテックまで視野を広げると、日本未上陸の製品やサービスが海外にはたくさんあり、市場の可能性を感じたという。

今後は、THINXの種類・カラー・サイズを増やすところからはじめ、ポップアップショップを開催し、日本の生理用品マーケットに刺激をもたらしたい、と考えている。

フェムテックサービスで、女性が生きやすくなる選択肢を広げたい

ランドリーボックス株式会社代表 西本美沙氏は、女性の性や体にフォーカスしたメディア「ランドリーガール」を3年前に立ち上げた。「性にとらわれず、自分らしさに気付き、目に見えない束縛から解き放たれて楽になってほしい」というコンセプトのもと、同メディアで扱うテーマは、SEX、性教育、LGBT、性文化など多岐にわたる。そして、女性の性と密接に関わるのが生理だと、西本氏はいう。

ランドリーガールのトップページ

「自分を守るためにも、パートナーと共有するためにも、自分の体や欲求について誰よりも自分が一番の理解者になる必要があると感じ、毎月の“生理”を軸にサービスを展開できないかと考えた」と西本氏。生理用品を変えたことで、長年抱えていた月経の悩みが解消されたという自身の経験も後押しし、新たに、THINXのような高機能の生理ショーツ、月経カップなどのアイテムを取り扱うメディアコマース「ランドリーボックス」を2019年下半期より開始予定で現在準備を進めている。会社のコンセプトである「あらゆるワタシに選択肢を」を体現するように、性別に関わらず個々人がもっと生きやすくなるように、生理だけでなくそれ以外のライフスタイルの面でも、選択肢を広げていきたいと考えている。

また西本氏は今回のイベントについても、「フェムテックのサービスが展開されることで、女性が抱える課題自体が可視化、認知されれば、結果的に女性に限らず男女が互いを理解し合うことにも繋がっていく」と話し、フェムテック市場の広がりは、男性側の意識の変化にも少なからず好影響があると期待を寄せている。

イベント会場での寺尾氏(左)と西本氏(右)

両氏が口をそろえていたのは、生理の悩みを抱えている女性が多いのに、それを解消する商品やサービスの選択肢が日本にはあまりにも少ないということだ。「しょうがない」とあきらめるのではなく、そのことに疑問を持つ女性こそが、日本のフェムテック市場を広げていく大きな力となることは間違いなさそうだ。

しかし、これまでスタートアップのファウンダーやVCは男性が多く、女性の割合は2割程度。日本のフェムテック発展の鍵は、「イノベーションに興味をもつ女性がいかに増えるかにある。始めるなら、プレイヤーが少ない今がチャンスだ」と納富氏はいう。

また共同主催者であるビタミン株式会社CEO 高松裕美氏は、「フェムテックは、社会への貢献度が高いビジネス分野。2019年が日本でのフェムテック元年だったとなるように、今年のエンジェル投資、事業立ち上げのサポートはフェムテックに注力し、イベント開催や登壇活動を続けていきたい」と意気込みを話す。

納富氏と高松氏は、イベント後、フェムテックに関する情報交換を目的としたFacebookグループ「FemTech Insight」を立ち上げ、今後も定期的にイベントを開催していく予定だ。次回は、4月11日に生理をテーマにした「FemTech Insight #02 〜生理体験を変えるブランディングとテクノロジー」を開催する。高松氏が指摘するように、日本でもフェムテック関連のスタートアップや、アイテムやサービスに関心のある女性をエンパワメントし、ビジネスとして投資家の興味をひきつける環境が整いつつある。

Text: 佐藤まきこ(Makiko Sato)
バナー画像:志谷のぞみ(Nozomi Shiya / BuzzFeed)

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