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ロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダー。2019年下半期デジタル施策総まとめ

◆ English version: L’Oréal, Unilever, Estée Lauder: 2H2019 Corporate Strategies in a 7-min Glance (part 1)
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2019年下半期の化粧品売上上位6社のデジタル施策と事業開発をまとめた。今回は6社のうち1位~3位企業のロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダーについて紹介する。ロレアルは、プレミアム・フレグランス市場での存在感を意識した提携、買収を進めた。ユニリーバは、上半期に続き、消費者の求めるナチュラル志向やリュクスの製品ポートフォリオを強化するためのM&Aを推進。スキンケアが好調だったエスティ ローダーは、2015年から投資していたドクタージャルトを持つハブ&ビーを買収し、ポートフォリオの一層強化を図った。4位~6位企業については次回に紹介する。

※ランキングは、BeautyPackaging のTOP20 GLOBAL BEAUTY COMPANIESより

この上位3社については「2019年上半期デジタル施策総まとめ」で紹介したように、引き続き世界的な健康志向の高まりへの対応、消費の中心を担うミレニアル・Z世代獲得がキーである。そのために積極的にデジタル領域に投資しながら、ナチュラルやリュクス製品のポートフォリオを短期間に強化するための大型M&Aが続いた2019年となった。

ポートフォリオには、地理的な市場のポートフォリオも含まれる。ロレアルは、中国、インド市場の獲得に向けて、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じた投資活動を積極的に進めている。加えてサステナブルやマーケティングでの透明性・倫理性の推進も引き続き活発だった。「社会的責任」「持続可能性」は、もはや ”やることは当たり前” になっており、その内容を商品とともに消費者に対してアピールすることや、化粧品業界の枠組みを超えて他業界と連携した動きにシフトしつつある。

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今回記事の上位3社の株価の動き
出典:CNBC

株式市場では、エスティ ローダーが高く評価された。S&P500 指数のこの1年間の平均上昇率が20%で、ナスダック総合指数が27%だったのを上回る31%という結果を出している。エスティ ローダーが好調な理由は、全方位戦略を取っており、製品・地理的ポートフォリオのバランスが良いという点にある。ロレアルも全方位戦略を取りながら、中国、インドなどの新興国マーケットへのさらなる拡大を図るための投資をしている。ユニリーバは先進国でのプレミアム・ナチュラルへのシフトを進めている。結果、2019年は3社とも増益増収を実現した。

1位 ロレアル
全方位戦略で過去10年で最高益を記録

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2020年2月6日に発表した2019年12月決算は売上高が前期比8%増の298億7,360万ユーロ(約3兆6,000億円)、営業利益は同12.7%増の55億4,750万ユーロ(約6,700億円)の増益増収で、過去10年で最高益を実現した。中でもロレアルリュクスとアクティブコスメティック事業(ラ ロッシュ ポゼなどヘルスケア観点からの美容ソリューション)が好調だった。

ロレアルリュクスについてはスキンケアとフレグランスの部門が大きく貢献した。アクティブコスメティックスは、過去最高の15.5%の記録的な成長を遂げ、中でもラ ロッシュ ポゼが2桁成長を記録し、10億ユーロの売上を突破した。地域別に見ると、アジア太平洋地域が25.5%増の96億5,800万ユーロ(約1兆1,700億円)を達成し、新興国全体で17.9%増の140億2,950万ユーロ(約1兆7,000億円)となった。

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