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「M&Aを連打のビューティ・ジャイアンツ」美容業界を読み解くまとめ(1):New Year Special

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2019年が終わり、2020年が幕開け。この年末年始、BeautyTech.jpでは昨今の美容業界の動きを振り返り、新しい年のトレンドを占うキーワード6つを選出して、関連記事をまとめて紹介する。第1回は「M&Aを連打のビューティ・ジャイアンツ」。

2019年は、主戦場となるミレニアル・Z世代に向けたアピールとして、ビューティ業界のトップ企業は積極的にデジタルの領域に投資しながら、ナチュラルやリュクス製品のポートフォリオを強化するための大型M&Aが続いた。

直近では、11月に経営不振からの脱却を目指すコティが、1億5,000万人以上のフォロワーを持つカイリー・ジェンナーが率いる「Kylie Cosmetics」の株式51%を6億ドルで取得。アジア圏を含む海外シェアを高めたい資生堂は、D2Cコスメ「ドランクエレファント」を8.45億ドルで買収し、6月には、幅広いジャンルのブランドを傘下に収めているユニリーバが、日本文化に着想を得た米国のD2Cブランド「タチャ」を約5億ドルで買収するなどの動きがあった。

このように、2019年のグローバル企業のM&Aの特徴は、ソーシャルメディアで強い支持を持つ独立系化粧品ブランドやオーガニック系ブランドなど、ニッチ市場でのM&Aだった点にある。だが、絶大なる顧客信頼のうえになりたつブランドの買収後は、その良さを保持しつつも、オペレーション部分での効率化を最大化するために、買収元との統合が不可欠となる。2020年は手に入れたブランドをどのように活かしていくのか、推移を注目すべき点といえよう。同時に大手によるM&Aはまだまだ続くことが予想される。

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Image: fizkes via shutterstock

「M&Aを連打のビューティ・ジャイアンツ」まとめ記事

◆ グローバル・ビューティ・トップ6社の2019年上半期
・ ロレアル、ユニリーバ、エスティ ローダー。2019年上半期デジタル施策総まとめ
・ P&G、コティ、資生堂。2019年上半期デジタル施策総まとめ

◆ 大手化粧品メーカーのM&A戦略を紐解く
・ 顧客も商品もデジタルも全方位で猛攻するユニリーバの戦略 
・ カイリー・ジェンナーが希望の星か、コティの事業立て直し
・ 資生堂 はなぜ、米・新興スキンケアブランドを買収したか?:ドランクエレファント、M&Aの背景
資生堂が買収のドランクエレファント、攻めのコンセプトを実体験レビュー

Text: 秋山ゆかり(Yukari Akiyama)
Top image: Hayden Walker via Unsplash