MeetUp3回め

人生を変えるような「体験」と「出会い」まで作り出す美容関連サービス

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BeautyTech SF Meet Upリポートの最終回は、美容インフルエンサー向けのライブストリーミングサービスGLAMCAMの可能性や、美容師マッチングサービスのStyleSeat、日本ブランド以上に日本らしさを世界に広めるTatchaの考え方など示唆にとんだ発言をまとめた。

米国のミレニアル世代がオンラインで自分の体験をシェアし、C2Cでマネタイズできるライブストリーミングサービスが、GLAMCAMだ。

出典:ともにGLAMCAM

創業者のセス・ゴールドスタイン(Seth Goldstein)氏は、シリアルアントレプレナーで、以前は音楽をライブで配信するturntable というサービスを運営していた。

ライブで人と人とがつながることの意味

「音楽業界には、税金や法律といった超えられないハードルが本当に多くマネタイズが難しかったが、美容に関してはとても可能性を感じている。前のサービスから学んだことは、音楽は人々を呼び寄せ、つなげてくれること(turntableは、指定されたユーザーが「部屋」を持つことができ、そこでDJのように好きな音楽を流し、他のユーザーが訪れ、テキストベースで交流ができた)。そこでユーザーたちは出会い、結婚したり、子どもをもったり、非常に深い人間関係を構築していった」。

我々のサービスは音楽以上のつながりや体験を生み出した、とゴールドスタイン氏はいう。彼はその後も数年ライブストリーミング領域で仕事をし、そのパワフルな市場性を間近に見てきた。

「今日話に上がったインフルエンサーやブランドの信頼性の話とも関連すると思うが、我々はライブ中継を通じて、美容好きの女性やインフルエンサー、メークアップアーティストがともにつながり、関係性を築くことを目指している」。

目指しているのは、テクノロジーを通じて人々を再度つないでいくことだ。自分が憧れているユーザーが、自宅に設置したカメラを通してメイクアップのやり方をリアルタイムで教えてくれる。逆に、自分も慕ってくれているユーザーに対して自宅にいながら自分の美容のノウハウを伝えることができる。そこに自分が思う値段をつけて、いわば1対1のライブなウェビナー(web上のセミナー)が可能になる。

「テクノロジーは人々を孤立させ、疎遠にさせてきたが、僕らはライブストリームを通じて人々の中にあるより自然な感情を、もう一度繋ぎ合わせようとしている」。

また、ゴールドスタイン氏は、ライブストリーミングは世代を超えて受け入れられると予測する。いまは彼らのサービスはインフルエンサーがフォロワーと1対1でコミュニケーションする仕組みだが、ライブストリーミング市場では1対複数、複数対複数など、今後はさまざまな使い方がされるだろうと想定している。

「若者から高年層まで、カウチに座ってみんなでリアルタイムでライブストリーミングを共有する、そんな世界観が今後広がっていくと思っている」。

美容スタートアップたちはどのようにイノベーションを生み出すか

2つめのパネルディスカッションは、いわば創業者セッション。美容領域においてイノベーションをどうやって生み出しているのか、あるいはこれからのスタートアップへのアドバイスなどをそれぞれに語った。

「私たちは真実を求め、グッドネスとは何かを伝えるブランドを目指しています。そして消費者がグッドネスにアクセスしやすくなるよう心がけています」。

少しばかり抽象的な言葉も、BRANDLESSの創業者ティナ・シャーキー(Tina Sharkey)氏が語ると、とても重く響く。BRANDLESSは化粧品を含む日用品を販売するオンラインストアだ。価格はすべて3ドル均一ながら、全部の商品がケミカルフリー、さらにオーガニックやフェアトレード、非遺伝子組み換えなどのアイテムが揃う。出店や宣伝費用を抑えられるD2Cだからこそ可能な仕組みだ。

出典:BRANDLESS

「起業家やイノベーターの方へのアドバイスがあるとすると3つ。1つは、サービスを作り、スケールさせ、素晴らしい起業家に会い続けること。2つめは、ご自身のキャリアと経験にレバレッジを効かせて、手がけているビジネスに適応させること。3つめは、固定概念を取り払い創造性を働かせることがとても大切になる」。

またBrit + Coは、DIYや料理、アイラインの引き方、写真の撮り方から悩みごと、おひとりさまの食事や旅といったことまで、インスピレーションに富んだライフスタイル系のコンテンツを取り揃え、コンテンツで潜在層を引き込み、購買やレッスン受講などにつなげている。創業者のブリット・モリン(Brit Morin)氏も、人にフォーカスしている。

「いまの消費者の傾向として、ソーシャルメディアでも、ブランドよりも人をフォローする傾向がある。我々のようなプラットフォームは、ユーザーが本当に使いたい、やりたいと思うアイディアとインスピレーションを与え続けたい」。

同社では、ピンタレストなどのソーシャルメディアもうまく使いコミュニティ的な雰囲気をうまくつくりあげている。

電話の向こうで急に泣き始めたクライアント

一方、「きっかけは、ただ何か新しいことを始めたかっただけだった」というのがStyleSeatの創業者であるメロディ・マクロスキー(Melody Mc Closkey)氏は、そこから自身がやっていることの意味を深く知ることになる。

「パッションのある個人のヘアアーティストやネイルアーティストが自由にクライアントを見つけ、仕事を広げられるプラットフォームを、ただ素敵だと思っただけの理由でつくってみた」。

そしてサービスをローンチしてしばらくたったのある日の朝、1人のクライアントが電話の向こうで急に泣き始めたという。「私には子供が2人いて、生活のために美容以外の仕事を掛け持ちして働かなければならなかった。それがStyleSeatのおかげで好きな仕事一筋で生きていけるようになった」と、その電話の主はマクロスキー氏に伝えたという。

「そういわれた時、私は心から衝撃を受けた。このStyleSeatという個人アーティストの活動を応援するビジネスモデルはただの私ごとではなく、社会を変え、経済成長を後押しすることにつながっているのを実感した瞬間だった」。

京都の舞妓の肌の美しさからインスピレーション

「我々は、日本からインスピレーションを受けてサンフランシスコを拠点に、時代を超えたグローバルカンパニーになりたい」と語るのは、Tatchaの共同創業者、ブラッド・マレー (Brad Murray)氏。京都の舞妓の肌の美しさにヒントを得て生まれたブランドだ。

「韓国のいわばK-Beautyの美しさや楽しさが、いまは世界市場に浸透しているが、米国ではそういった韓国トレンドの次に、我々のTatchaが広く、深く市場に浸透してきていると感じている。食習慣や儀式、天然成分といった、日本で語られるライフスタイルビューティを世界中に伝えたいと思っている」。

同社では、製品を購入すると、その一部が恵まれない地域の1人の少女が一日学校に通うための費用としてあてられるチャリティ活動を行うほか、セフォラのような大規模小売店ともパートナーシップを構築するなど、「デジタルファースト」とはいいながらも消費者の心情や利便性には心をくだいている。

さて、このBeautyTech SF Meet Up、次回のテーマはBeauty & Fashion: a revolution is under way, with new emerging business models(新しい視点のビジネスモデルで、大きな革命が起きつつある美容&ファッション業界)として、2018年6月25日にサンフランシスコで開催される。

Text: 高橋クロエ(Chloe Takahashi)                                                              Top image: Steinar Engeland via Unsplash



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