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卵子凍結などへの助成が、美容業界においても女性の選択肢を大きく広げる切り札へ

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女性の働きやすさ、人生の選択肢を広げる手段として、「産みどき」を自分で決められる卵子凍結への助成は、先進国の大手企業の福利厚生として脚光をあびている。本人、そしてパートナーや家族のメリットだけでなく、企業にとってもスタッフが安心して働ける場となる恩恵は大きい。日本でいち早くそこに切り込んだのが、スタートアップのステルラだ。越えるべき課題はあるが、日本でも卵子凍結への支援の有無が、選ばれる企業の基準となる時代がすぐそこまできている。

卵子の数は産まれたときに決まっており、年齢とともに数は減少し、その質は低下していく。「卵子の老化」がメディアで大きくいわれはじめたのは、ほんの10数年前のことだ。女性の妊孕力(妊娠する力)は24歳前後がピークで、キャリア形成と妊娠適齢期が重なってしまうため、妊娠・出産によって多くの女性がキャリアを中断したり、ペースダウンしたりを余儀なくされてきたことが、長年、日本の女性活躍の妨げになってきた。

そこに風穴をあけようと、卵子凍結という選択肢を企業の福利厚生パッケージとして提供する「Stokk」を立ち上げたステルラ株式会社代表取締役 西 史織氏は、卵子凍結を企業が支援する意義をこう語る。

「いつかは子どもを持ちたいけれども、今はキャリアや別のことを優先したい。そんなときに、卵子を凍結保存するという選択肢があることで、未来への備えができるだけでなく、女性自身が産みどきを選び、人生の見通しやキャリア計画を立てやすくなる」

それでなくてもジェンダーギャップ指数121位の日本では、「女性が働きながら子どもを産むことはハードルが高すぎる」と多くのミレニアル世代の女性たちが感じている。そのなかで、個人的にも卵子凍結を試みようという女性が増えている。

法整備が進まない卵子凍結の現状

しかし、日本では卵子凍結はまだ身近なものではなく、その歴史も浅い。日本生殖医学会がガイドラインを発表し、不妊治療中の女性や健康な未婚女性が、将来の妊娠・出産に備えて卵子を残しておくための「社会的適応」として未受精卵子の凍結を認めたのは、2013年のことだ。それまでは、未受精卵子の凍結保存については、がん治療などで卵巣機能が低下すると予想される場合の「医学的適応」に限り容認されていた。

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