「Beautyfluent」と「Coralai」、美容部員など販売者のパーフォーマンス向上ツール
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ライブコマースが人気を博する一方で、リアル店舗の活況も伝えられる今、オンとオフの販売の現場において共通するのは、接客を担当する「人」がもたらす顧客接点の重要性だ。このような状況下で、米国で最近リリースされた、小売店の美容部員のためのトレーニングアプリ「Beautyfluent」と、エステティシャンのソーシャルセリングのサポートにつながるプラットフォーム「Coralai」を紹介する。
インフルエンサーやソーシャルセリングなど「人」が介在する顧客体験の価値が再評価
ソーシャルメディアは人々の美容製品との出会い方を大きく変えた。化粧品やメイクへの興味が高い“美容好き”はInstagramやTwitterなどのSNSや、クチコミサイトや動画サイトに集まり、商品を見つけたり、チュートリアルを視聴したり、レビューを投稿したりするのが当たり前となり、メジャーなソーシャル・プラットフォームは、スポンサード(広告)投稿やインフルエンサーのキャンペーンで溢れている。実際、SNSでのマーケティングは大幅に増加しており、2022年には広告主がインターネットユーザー1人あたりに費やす額は平均262.5ドルになるとも予測されている。
こうした状況のなかで台頭してきたのが「インフルエンサーマーケティング」や「ソーシャルセリング」だ。ビューティの分野においては、美容系インフルエンサーをはじめ、メイクアップアーティストや美容部員といった美容のプロ(エキスパート)まで、「この人が勧めるものなら間違いない」「この人から買いたい」と消費者が感じるような「人」との関係性を通じて購買を促すことを指すのが一般的だ。この場合の「販売者(ソーシャルセラー)」は、単なる売り手ではなく、自分が売る商品やブランドを深く理解し、周囲の潜在顧客を啓発していくブランドアンバサダー的な役割も担っている。
その代表的な例が、インスタライブやTikTokなどを利用した、販売者によるライブデモンストレーションや、顧客とのリアルタイムでのやり取りが可能なライブストリーム(配信)ショッピング(ライブコマース)だ。とくに中国では、2022年のライブストリーミング全体からの購入額は、約3,000億ドル(約44兆1,800億円)に達するだろうといわれている。
こうした中国での成功を受け、TikTokが米国でのライブストリーミングショッピングを開始すると、2022年10月、フィナンシャル・タイムズが報じた。詳細は明らかにされていないが、クリエイターやブランドが動画を通じて商品を販売するライブショッピングのインフラを提供するために、カリフォルニアに拠点を置くTalkShopLiveと提携するとみられている。
とはいえ、TikTokは同年7月、英国でトライアルテストを行なっていたライブショッピング機能「TikTok Shop」を、期待したほどの反応が得られなかったため中止している。アジアとは異なり、西欧ではライブコマースの人気がさほど高くないことが浮き彫りになったともいえるだろう。
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