ライブコマース

メルカリやBASEに続きエブリーも参戦。日本のライブコマースは進化するか

◆ English version: Will Japan follow China’s lead in live commerce?
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先日の新型EC記事でも紹介したライブコマース。中国で爆発的な人気を博し、日本でも導入が進みつつある。とはいえ、中国とは事情も違い、日本の消費者に向けては「どう活用すればいいか」を試行錯誤中だ。日本でのライブコマース・プラットフォームがいくつか立ち上がるなか、まずは現状を整理し、今後の展開を考えたい。

中国ライブコマースの絶大なインパクト

ライブコマースとは、ライブでストリーミング動画を配信し、視聴者からの質問やコメントにリアルタイムで答えながら、何らかの商品の紹介と販売までをシームレスに行えるようにした仕組みである。そこでは誰もが売り手になりうるが、サクセスストーリーの多くはKOL(Key Opinion Leader)、または「網紅(ワンホン)」と呼ばれる、ネットを拠点とするインフルエンサーが主役である。

たとえば、代表的な網紅のひとりである張大奕(Zhang Dayi)氏は2016年、中国のEコマース最大のイベント「独身の日(11月11日)」にライブ配信を行い、1日で約1500万ドル(約16億円)の売上を記録した。彼女はアリババ傘下のオンラインショッピングモール淘宝網に、アパレルや化粧品を取り扱うショップを開いており、その年商は4600万ドル(約50億円)に達するという。

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photo courtesy of VCG/Jing Daily

淘宝網には独自のライブコマース・プラットフォーム「淘宝直播」があるが、同様の仕組みは、京東商城(JD)や蘑菇街(Moguje)、红豆角(Hon dou jiao)といったショッピングモールでも構築しており、各社がしのぎを削っている。また、中国のライブコマース全体の市場規模は1カ月あたり4400億円、年間約5兆円ともいわれている。

中国外から参入した企業もこの波にのりつつある。メイベリンはモデルのアンジェラベイビーらを起用したライブストリーミングで500万以上のビューを集め、それを起点に1万本以上の口紅を販売した。米国発の若い世代向けバッグブランドであるWeldenは、インフルエンサーのMark Yuan氏とZoe Zhang氏が淘宝で取り上げたことにより、中国で急成長を遂げることができた

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photo courtesy of Meipai and Taobao Live/CHINALIVE

中国のライブコマース人気には「ライブ動画」の存在がある

中国ではライブコマースがスタートする前から、誰もが簡単に発信し視聴できるライブ動画配信が人気で広く利用されており、アイドル志望者による歌や踊り、あるいは、単なる日常のおしゃべりのようなコンテンツが支持を集めるなど、独自の発展を遂げてきた。Yizhibo(一直播)やMeipai(美拍)、Huajio(花椒)に代表されるライブストリーミング・プラットフォームは300以上あるともいう。2016年6月時点の推定では、中国のライブストリーミング利用者はインターネットユーザーの45.8%にあたる3億2500万人にのぼり、その後も増加を続けているとみられる。

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