セフォラの超・顧客中心主義【後編】~デジタルで激変する「体験」の中身
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「いつでもどこでもビューティー領域におけるより良い顧客体験」を軸に、セフォラがいかに顧客ファーストの店舗づくり、オンラインコミュニティづくりを真剣にすることで、ユーザーの支持を得てきたかを前編で紹介した。後編では、それらの施策をベースに得た知見で、さらにリアルと仮想空間をシームレスにして顧客体験を高め、売上につなげるデジタライゼーションに取り組む姿をみていこう。
前編で顧客対応に関わる2つの領域、ロイヤリティプログラムと、顧客参加型のコミュニティをとりあげた。続く顧客体験における2つの領域が、パーソナライズとオムニチャネルだ。
<その3> パーソナライズされた製品とサービスでよりよい顧客体験を作る
よりよい顧客体験を作る上で、ビューティーにおいては、パーソナライズは不可欠だ。顧客が何を好み、何に悩み、何に興味を持っているのか。膨大な数のコスメのなかから、自分にあった商品を選び、購入し、それを実際に使用するシーンをパーソナライズしていくために、セフォラは、AI、ARなどのテクノロジーを積極的に取りこんでいる。
2012年、スキンケアiQと呼ばれる顧客の肌悩みにあわせたスキンケアを紹介するサービスをローンチ。これは、セフォラのBeautyTalkコミュニティであげられた肌悩みトップ10を中心に、コミュニティでの情報とテクノロジーを組み合わせて、顧客個人の悩みを解決しようとしたものだ。このほかに、カラーiQという肌トーンにあわせたアイメイクやリップなどのカラーコスメをおすすめしてくれるサービスや、好みやムードにあわせた香水選びをサポートするフレグランスiQなどが、iQシリーズとしてローンチしている。
さらに、テクノロジーを自分たちの目的を実現するための手段の一つとして積極的に活用すべく、2015年にイノベーション・ラボをサンフランシスコのドッグパッチ地区(バイオやヘルステックの集積地)に開設した。イノベーション・ラボのミッションは、「ビューティーの世界で適切な商品を簡単に見つけることを支援する」ことだ。
ここで、ARベンチャーのModifaceと提携しセフォラ・バーチャル・アーティストというVRアプリを開発し、2016年にリリースした。様々なメイクアップを仮想体験できるこのサービスは、口紅やアイシャドウなど何度も塗り替える手間や、肌への負担、店舗に行かないと試せないなどの課題を解決するものだ。
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