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韓国版Shopifyの「CAFE24」台頭など、美容ブランドがD2C戦略にシフト、その背景

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パンデミックに伴い、韓国では化粧品のオンライン市場が急拡大し、小売店が苦境に陥っている。H&Bストアや百貨店などでの小売店展開を重要視していたブランドも、D2Cへのシフトが進み、ECのみに集中していこうとする動きも出始めた。ブランドにとって使い勝手のよい、いわば韓国版Shopifyの「CAFE24」も登場し、新興ブランドだけでなく中堅も直販重視へと動き始めている。

化粧品オフライン小売チャネルの衰退とD2C戦略への期待

韓国の統計庁が報告したところによれば、2018年の国内化粧品市場のオンライン取引額は9兆8,521億ウォン(約9,800億円)だった。それが、2020年には12兆4,712億ウォン(約1兆2,000万円)にまで急拡大している。

その後パンデミックの拡大にともない、化粧品の小売販売額全体は減少傾向にある。2021年上半期に集計された化粧品全体の小売販売額は14兆8,644億ウォン(約1兆4,000億円)と、2019年比で11.4%減少した。販売チャネルごとの数字の変化を示す資料はないものの、パンデミックの影響でオフライン店舗での売上が激減し、その穴をオンライン販売網が埋めているという、ここ数年の韓国の化粧品小売事情を映しだしているといえよう。韓国公正取引委員会が発表している2020年の化粧品関連業種の廃業率は28.8%で、他の主要卸・小売業種のなかで最も高い数値となっている。

実際に、これまでD2Cブランドを発掘し育成する役目をになってきた小売店が軒並み撤退をせまられている。大手キュレーションショップCHICORほか、大手化粧品専門店やH&Bストアが店舗を次々とクローズしている状況だ。満を持して2019年に韓国に進出したセフォラも主要都市で次々と閉店し、H&BストアLOHB’sが2022年内の完全撤収を発表するなど、実店舗の小売が大きなダメージを負い、かつデジタルシフトが進む韓国化粧品市場では、消費者と直接つながるD2C戦略に打開策をみつけようとするブランドが増えている。

そこには、新たに登場したD2Cブランドや新興ブランドのみならず、既存の中堅ブランドも含まれる。百貨店や化粧品専門店といった旧来の小売チャネルを使わず、いかに消費者と直接つながれるか。それが業界関係者の共通したテーマとなっているのだ。

韓国版Shopify「CAFE24」も登場、D2C戦略転換への後押しも

韓国ではここ数年、D2Cブランドの立ち上げをサポートするエコシステムが徐々に整ってきた。企画・生産・販売などすべての工程とソリューションを、オンラインで提供・完結させることを目指す「BeautyMakers」、OEMメーカー韓国コルマが運営する「Planet147」、美容系インフルエンサーが化粧品ブランドを立ち上げることができる「YOUR BRAND」、世界のOEM工場と化粧品をつくりたい人のマッチングをかなえる「Cosmepolitan」など、企画・開発を支援するプラットフォームの存在は過去記事でも取り上げている。

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