Cosmepolitan、グローバルなOEMプラットフォームとして成長、日本語対応も強化
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Cosmepolitan、グローバルなOEMプラットフォームとして成長、日本語対応も強化

韓国では、OEM企業を束ねたOEMプラットフォームが複数存在する。なかでも日本語で対応が可能なのが韓国出身の起業家がシンガポールで創業したグローバル対応の化粧品OEMプラットフォームのCosmepolitanだ。韓国ではパンデミック中にOEMプラットフォームが一気に増加したが、先駆者としてのCosmepolitanのユニークな立ち位置と今後の展望について、韓国のOEM企業の特徴とともに紹介する。

韓国の先進的なブランドを支えたOEM企業のエコシステム

韓国の化粧品市場は、グローバルな視点でみると、やや特異な存在である。日本の40%の人口規模ながら3万以上のブランドが存在する。化粧品製造の歴史が古いフランスや米国、日本などの国と比較しても、化粧品製造そのものが活発になり、新興ブランドが次々と生まれるようになったのは2000年代になってからだ。

その勃興する新興ブランド群を支えてきたのが、韓国のOEMメーカーである。当初から、小ロットでも化粧品づくりが可能で、容器やデザイン会社とも連携してOEMというよりODMに近いかたちで、さまざまな角度からスタートアップを支えてきた。数十万円程度の資金で学生たちが起業した「エイプリルスキン」が、グローバルでも知られる存在になったのは現地ではよく知られたエピソードだ。

こうしたOEM/ODM企業の存在があったからこそ、スタートアップはマーケティングに専念することができ、今に至るK-Beautyブームをつくった。2018年にロレアルに買収された韓国企業ナンダのオリジナルブランド「3CE」(ブランド誕生は2009年)や、エスティ ローダー傘下に入った「ドクタージャルト」(創業は2004年)が、その先駆者といえる。

韓国では、市場規模の小さい国内だけでは成長がのぞめないこともあり、新興ブランドのほとんどが、創業当初から中国をはじめ海外展開を視野に入れている。そのため、OEM側も各国の法規制を熟知しており、どの国で販売したいかに合わせて処方を決めていくといったところまでサポートし、ブランドと伴走する。

また、OEM同士の横のつながりも強く、自社が成長するだけではなく、「K-Beautyそのものがいかに世界で活躍できるのか」という戦略自体に目を向けているのも特徴で、クッションファンデなどの画期的なアイテムを大手が特許で独占せず、業界全体で改良を続けながら生産し、グローバル企業からの製造委託が韓国に集中するといった好循環を生んでいる。

OEMのなかでも最大手の2社は、COSMAX(コスマックス)韓国コルマーだ。加えて中小のOEM企業が200〜300社ほどあるといわれ、それぞれの得意分野を活かしている。このようなユニークな特徴をもち、国内はもちろん世界からの受注を受け、2020年の化粧品輸出額はフランス、米国に次いで世界3位規模となり、輸出相手国も2019年の137カ国から160カ国に増えている。

OEMプラットフォーム先駆者のCosmepolitanは日本を含むグローバル対応で進化

もともとスタートアップフレンドリーで実力もある韓国のOEM企業だが、パンデミック前後には、OEM企業を束ねるプラットフォームがいくつか登場してきている。D2CやP2C(Person to Consumer、インフルエンサーブランドなどをさす)ブランド、異業種参入ブランドが韓国で化粧品をつくりたいと思ったときに、どこで、何を、どのようにつくるべきかを相談できる先だ。

日本でも新興ブランドが韓国のOEMに発注するケースが増えてきているが、言語の壁もあり、複数のOEMとやりとりしながら最適な企業を見つけるのはハードルが高い。OEMプラットフォームの多くが英語には対応していても、日本語でやりとりができるところはまだ少ない現状もある。

こうした状況下で、日本向け担当部署があり、日本語での対応が可能なのが「世界中のインディーブランドの成長をサポートする」をコンセプトに掲げるCosmepolitanだ。OEMとワンストップで繋がれるプラットフォームとしてはいち早く2019年1月に立ち上げ、英語、中国語など複数の言語に対応している。本社はシンガポールで、韓国・ソウルにオフィスを持ち、世界中からの案件に対応している。

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出典:Cosmepolitan公式サイト

OEMプラットフォームとして、現在は韓国や中国、日本、北米の大手から中堅まで3,000以上のOEM工場(うちcGMP認定工場は132、ISO22716 認定/化粧品GMP工場は143)のネットワークを築いており、各社の特徴をデータベース化するとともに、韓国で生産されている化粧品のうちの8万以上の処方データも保有し、ブランド側がつくりたい化粧品を、どの工場で、どのように作れば、求める品質と価格が実現するのかをマッチングしサポートする。

創業当時は、Webサイト上でマッチングが完結する仕組みを目指していたが、数多くの案件に対応するうちに、柔軟かつ丁寧なサポートを必要とするクライアント企業が多いと判断し、現在はグローバルからの要望や対応ノウハウのデータ蓄積に専念している。将来は、工場の空きラインをリアルタイムで可視化しマッチングの精度を高める構想ももつ。

「我々が目指しているのは、化粧品をつくりたいという世界中の新興ブランドに対し、イメージしているものを高品質・低価格で製品化し、ブランドの成長をサポートするプラットフォームだ。韓国で化粧品をつくりたいという要望も多いが、品質やコスト面を考え、処方は韓国、パッケージは中国、完成品を日本で生産するといったフレキシブルな対応も可能だ」と、創業者兼CEOのユン・ミジョン(Yoon Mijoung)氏は話す。

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Cosmepolitan pte. ltd.
Founder & CEO
ユン・ミジョン(Yoon Mijoung)氏

ユン氏はサムスン電子出身で、学生時代に日本で学んでいた経験から翻訳会社を立ち上げ、化粧品関連の案件を多く手がけたのち、K-Beautyのマーケティング事業に進出、OEMプラットフォームの必要性を実感して起業した。

「化粧品づくりには、各国の法規制にもとづき、処方、パッケージ、ラベル、梱包と出荷など、複数のパートナー企業をコントロールする必要があり、その複雑さから、韓国では一連のプロデュースと生産管理に詳しい個人のコーディネーターが多数存在して、企業間の仲立ち役として活躍している。その属人的な仕組みを一元的にデータ蓄積し、提携先のOEM企業とともに、さらに多様な要望に応えたいと考えている」(ユン・ミジョン氏)

Cosmepolitanは、日本ではすでに、パーソナライズブランドのスキンケアや、メイクラインなど複数のブランドの生産プロデュースを手がけているほか、欧州、東南アジア、インド、アフリカといった各地域のクライアントと化粧品づくりを進めている。今後は北米も有望市場の1つとみてマーケティングを強化するという。

楽天銀行出身の同社取締役のユン・スボク(Yoon Subok)氏によればインフルエンサー個人からの問合せも増えているといい、「こうしたインフルエンサーの方々が手元資金の心配なく化粧品づくりができるように、我々で初期ロット製造のコストを負担し、売上から回収することでブランド側の初期投資を軽減する仕組みを考えている」と話す。

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Cosmepolitan pte. ltd. COO
ユン・スボク(Yoon Subok)氏

熱心なフォロワーを抱えるインフルエンサーがブランドをつくる際には、そのインフルエンサーが伝えたいことをいかに製品を通して表現するかが重要であり、市場で際立つためには、化粧品自体にも何かしらの新しさやトレンド性が必要になる。

「処方やパッケージ、マーケティング手法という意味でも、韓国でイノベーティブな化粧品が生まれやすいのは、もともと化粧品に対する感度が高く、厳しい目でチェックする国民性があるからだ。グローバルブランドもまず韓国で先行販売しテストマーケティングを行うケースが増えている。その意味でも、韓国市場を熟知している我々は、クライアント企業や個人に対して“次のトレンド”となるヒントを提供することができる」(ユン・ミジョン氏)

Text: 矢野貴久子(Kikuko Yano)
Top image & Photo: Cosmepolitan pte. ltd.


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