P&G、J&J、ロレアルの巨人たちがさらなるパーソナライゼーションへ【CES2019】
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2019年1月8日から、米ネバダ州ラスベガスにて世界最大級のテクノロジーショー「CES2019」が行われた。今年は展示会場内にビューティテック専用エリアの設置はなかったが、会場のいたるところにスタートアップブースや商品が点在し、関連セッションも開催されるなど、引き続きビューティテックに対する世界的な盛り上がりが感じられた。4回にわたり、2019年のビューティテック、関連分野であるスリープテックやベビーテック等のトレンドを見ていく。
(※ 2/20 文中のLifeLabに関する表現を修正補足いたしました)
CES2019のビューティ分野を読み解くキーワードは、「肌分析」「パーソナライゼーション」「D2C」の3つが挙げられる。特筆すべきは、化粧品業界の最大手メーカーがこぞって、この3点に本気で取り組んでいるところだ。豊富な資金で肌分析テクノロジーに磨きをかけ、顧客一人ひとりに向けてカスタマイズしたサービスを、ダイレクトに届けることをはっきり打ち出していたのである。
P&Gが初出展。グループ数社で商品を展示
CESにおけるビューティテック分野の盛り上がりを率いたのは、今回初出展となったP&G、連続参加のJohnson&Johnson、ロレアルという3つの巨大企業である。なかでも181年の歴史を持つP&Gは、今回の展示でひときわ目を引いた。展示テーマを「LifeLab」としてサイエンスとテクノロジーが交差し新しい製品やサービスを生み出していく場所というコンセプトのもと、複数のグループ企業からなる巨大ブースを設置し、最新テクノロジー搭載商品を展示。存在感を示した。
展示が始まる前に、メディア向けに行われたカンファレンスで同社は、P&Gのイノベーションを形作る重要なトレンドとして「都市化」「高齢化」「資源不足」「デジタルテクノロジー」の4つを挙げ、LifeLabの展示が掲げる目的を、「画期的な科学技術と、消費者への深い理解を組み合わせることで、人々の生活を変えるパーソナライズドされた経験を提供する」こととした。なお同展示には、P&G内のCVCであるP&G Venturesも関わっている。目まぐるしく技術革新が進む昨今の美容・ヘルスケア業界において、P&G Venturesを通じて新たなパートナー、製品、サービスを見つけ、時代変化に対応していきたい考えだ。
CESへの出展を行った狙いについて、P&GグループのSK-II ジャパン コミュニケーション マネージャー 安実直子氏は、「顧客の生活が変わり、デジタルが欠かせないようになってきた。企業としていかに、生活体験を豊かにするテクノロジーを追求する姿勢を見せられるか」が重要と話す。
SK-Ⅱブースで行われた、肌分析マシン「スキン スキャン」の
体験を求めて長蛇の列ができた
SK-Ⅱブースは日本で披露した、ポップアップストア第一世代「Future X」をベースに、中国・上海で行った第二世代ポップアップストアで紹介したリテールテーブルと、来場客から人気だったという「ピテラチューン(※)」を展示した。
(※)編集部注:SK-Ⅱを使い続けることで、肌の「触感(手触り)」が変わることを直感的に示した技術。測定時にデバイスを通じて振動(音声シグナル)を取り込み、特殊なアルゴリズムにより一人ひとりの肌状態を再現する。波長が均一だとスムース、整っていないとざらつくなど、実際に手で触ったかのような感覚を得られる。
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