「医療レベルのスキンヘルス」「中国春節限定コスメ」「B Corp認証」がキーワード【海外トレンド2022年1月-2月】
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毎月1回、ビューティ業界にインパクトを与える海外ニュースを俯瞰し、注目すべきポイントと報道の裏側にある背景を解説。グローバルな視点からビジネスの潮流を紐解く。今回は、ロレアルなどが積極的に進める医療・ウエルネス領域の視点を加えた肌研究、中国のホリデー商戦に向けた春節限定コスメと、サステナブル企業や投資家からの注目が高まるB Corp認証を取り上げる。
仏ロレアル、ライフサイエンス企業と提携しスキンヘルス研究を加速へ
★注目ポイント
大手化粧品メーカーがヘルステック企業や遠隔医療アプリへのアプローチを始めている。その背景には、美容の領域を超えて一歩踏み込み、医療やウエルネスの観点を取り入れることで、肌の健康のための研究そのものを包括的に進化させようとする意図がのぞく。
仏ロレアルグループは、グーグルの親会社であるAlphabet傘下のプレシジョン・ヘルス・テックのリーディング企業Verilyと、美容分野に特化した戦略的パートナーシップを締結した。プレシジョン・ヘルス(精密保健)とは、ヒト疾患をモデリングして早期に検知・発見することで健康へとつなげる取り組みとして近年注目を集めている。
この提携により、肌の健康を生物学的、臨床的、環境的に横断して捉えるための戦略的コラボレーションを進め、ロレアルが蓄積した皮膚に対する科学的知識とVerilyの包括的な臨床科学能力を組み合わせ、エクスポソーム(個人が生涯において曝露する化学物質の総量)と皮膚の老化メカニズムの関係や、肌に関する生物学との関連を解読・発見することを目的としている。
加えて、ロレアルのアクティブ コスメティックス事業部とVerilyのR&Dチームが提携し、臨床皮膚医学やスキンケア向けのセンサーやAIアルゴリズムなど、新しいサービスの基盤となる新技術や遠隔診断ソリューションの開発を検討するとしている。
今回の提携に先立ち、ロレアルは2021年8月に、世界190カ国に1,200万人のユーザーを持つ月経トラッキングアプリ「Clue」との提携を発表し、月経周期に着目したスキンケアの実現を目指すとしており、医療・ウエルネスの分野と融合した、科学的なスキンヘルス研究に注力していく姿勢が鮮明だ。
一方、独バイヤスドルフは、25ユーロ(約3,300円)の料金で24時間いつでも皮膚科医のオンライン診療が受けられるアプリ「Dermanostic」への投資を発表した。同アプリと連携する医師は処方箋の発行やスキンケアアドバイスも行い、バイヤスドルフ傘下の皮膚科医推奨のスキンケアブランド「Eucerin(ユーセリン)」がアプリを通じて購入できるようになる。
Dermanosticの共同創業者のオーレ・マーティン(Ole Martin)博士は「肌トラブルを抱えたユーザーが皮膚科医に直接相談ができ、専門的なカウンセリングを受けられる私たちのサービスは、好意的に受け止められている」として、投資の背景には、若い世代を中心に遠隔のデジタル皮膚科診療が支持されてきていることを示唆する。
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