ZOZOがオンライン+リアルのデータで探る、「超パーソナルスタイリングサービス」の中身
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顧客体験をパーソナライズし、その価値を最大化するために、テクノロジーだけではなく、人を介した温かみのあるコミュニケーションを組み合わせたサービス設計を重視する傾向が高まっている。株式会社ZOZOは、独自の「niaulab AI by ZOZO(以下、似合うラボAI)」のテクノロジーに、プロのスタイリストの知見を掛け合わせ、「似合う」スタイリングを提案する店舗「niaulab by ZOZO(以下、似合うラボ)」を東京・表参道にオープンした。どのようにデータを収集し、「似合う」を解析しようとしているのか、似合うラボの超パーソナルスタイリングを実際に試した体験から紐解く。
経営戦略に「ワクワクできる『似合う』を届ける」を追加
2022年4〜12月期における「ZOZOTOWN」での商品取扱高は、前年同期比8.3%増の4,064億9,700万円となった株式会社ZOZO。強化中の美容カテゴリー「ZOZOCOSME」においては、2022年9月時点で、国内外の700以上のコスメブランドを取り扱っており、高精度で肌の色を計測できる「ZOZOGLASS」を用いて、肌の色にもっとも近いファンデーションやコンシーラーを提案する新しい顧客体験を提供している。
創業25年目を迎えた2022年5月に、同社は経営戦略に、「ワクワクできる『似合う』を届ける」を追加した。その背景について、株式会社ZOZO 代表取締役社長兼CEO 澤田宏太郎氏は、「創業以来、ファッションを“売る”ことに取り組んできたZOZOが次に目指すのは、『ファッションの”こと”ならZOZO』という存在になり、『似合う』を届け、より多くの人を笑顔にすることだ。しかし、『似合う』はとても多様で、かつ曖昧なものであり、人によってその定義は異なる。その『似合う』を解明し、届けていくことに今後しっかり向き合って取り組んでいく」と話す。
また、ZOZOTOWNやファッションコーディネートアプリ「WEAR」を展開する同社が、オフラインの取り組みを始める理由について澤田氏は、似合うを研究すればするほど、現状ではネットの世界だけで完結するのが難しいこと、そしてパンデミックを経験し、リアル店舗のあり方が以前と変化してきていることの2点を挙げる。「Web専業でやってきたZOZOが、リアルの場で何を提供できるかを考えたときに、『似合う』を届けることで価値を出せるのではないかと考えた。その第一歩として、洋服を一切販売しない、似合うが見つかる体験型店舗『似合うラボ』をスタートさせた」(澤田氏)
似合うラボが提供する体験とは、完全予約制で、店舗を貸し切り状態にして行う1人約2時間以上の「超」パーソナルスタイリングサービスが無料で受けられるというものだ。1日4〜5人の枠で、年間約1,000人へのサービス提供を目指す。2022年12月16日に、2023年2月体験分の応募を開始したところ、開始から3日間で2万件を超える応募があったという。3月分以降は毎月1日に、翌月分の応募受付を開始する。
似合うラボAIの提案とスタイリストの知見を組み合わせて「似合う」を探す
実際のスタイリングサービスの内容を、著者の体験とともに紹介する。まず、LINEの専用アカウントから似合うラボに応募し、当選者はファッションに関する悩みや好み、なりたいイメージなどについて事前にカウンセリングシートに回答する。その回答結果をもとに、ZOZO独自の似合うラボAIが、WEARにある約1,300万件のコーディネートデータから、好みに合いそうなコーディネートを3パターン提案。体験当日は、スマートミラーに映し出された3つのコーディネートを見ながら、プロのスタイリストが詳しくヒアリングを行っていく。
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