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中国での化粧品販売、「微商」でWeChat上の販売のプロ3000万人を味方に

◆English version: Chinese cosmetics sales find a win-win platform on Weishang
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WeChatは今、アリババやJD.comと並ぶ巨大なオンライン市場を形成しつつある。先日紹介した「ミニプログラム」を始め、WeChat上にはさまざまな売買のためのプラットフォームが用意されている。それらを総称した「微商」について解説する。企業側がうまく使うことで、中国での販促が劇的に進む可能性も秘めている。

ユニリーバは10月、同社の化粧品ブランドである「HAZELINE」の SNOWシリーズ(中国語名 夏士莲雪花)について、「微商(Weishang)」を利用し販売していくことを発表した。微商はWeChat(微信)を活用したCtoCとBtoC販売の両方を兼ね備えた手法で、マイクロリテールとも訳される。詳しい説明は後述するが、「北京商報」(10月21日付)によると、ユニリーバの関連事業責任者は「従来の販売チャンネル(専門店やドラッグストア)と微商チャンネルを組み合わせたり、販売店を微商に進出させることで、新しい販売モデルを構築する。今後、目標年間売上を2.5億元(約40億円)に設定している」と述べた。

世界有数の日用品メーカーであるユニリーバは、2015年頃から中国のネット市場進出への動きを鮮明にしてきた。2015年6月、JD.com(京東商城)で公式オンラインショップを設立したことを発表。翌月には中国最大のオンラインマーケットを展開するアリババ集団との提携も発表した。中国のECサイトに進出を果たしてきたユニリーバだが、今回さらなる利益拡大を目指し、微商に参入したかっこうだ。

日本ではまだ聞きなれない微商だが、中国では2015年頃からWeChatを通じた商品販売のことを指す言葉として定着した。MAU(月間アクティブユーザー)が10億人以上存在するWeChat上で、ユーザーや企業が、アプリ内で商品の販売及び購入を行うのだ。現在、市場規模は5000億元(約8兆2500億円)を超えており、あまりに大きな市場に成長したことから、消費者保護と事業主への徴税強化のため、中国政府は新たに「中華人民共和電子商務法」を制定したほどだ(2019年施行)。

詳しく仕組みを見ていこう。まず、微商は大きく分けて個人事業者と企業に分けられる。同じWeChatを利用した商品販売でも、この両者には大きな違いがあるのが特徴だ。個人事業者の場合、商品を販売する際に利用するWeChatの主な機能としては①「朋友圏(モーメンツ)」②「群聊(グループチャット)」③「微店(微信店舗)」の3つが挙げられる。このそれぞれをまた詳しくみていこう。

微商の主な機能は大きく3つ

① 朋友圏(モーメンツ)
簡単にいうと日記投稿機能である。個人事業者はこの機能を利用し、商品の写真や価格を投稿し、繋がっている友人などに向けて商品の宣伝・販売を行う。

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