ロレアルやLVMHの学生向けハッカソン、未来の人材・顧客と考える持続可能性
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ロレアルは世界各国から学生チームが参加する、グローバルなビジネスアイディアコンクール「Brandstorm」の2020年最優秀賞を発表しスイスの学生チームが1位、アルゼンチンが2位だった。LVMHグループも毎年ハッカソンを開催している。その背景にあるのは、Z世代のインサイトの理解と人材の発掘、そして、幅広い観点からESGを推進していく企業戦略である。
一部のグローバル美容企業では、学生を対象に、革新的な製品やビジネスアイディアを募るコンクール形式のイベントを定期的に開催している。こうした試みは、優秀な人材の早期発掘と確保に有効だが、同時にZ世代である学生は、最も影響力のある購買層になりつつある世代であり、彼らの視点や発想を理解するうえでも重要な機会だ。
また、環境問題の深刻さが増し、ESG(Environment, Social, and Governance / 環境、社会、企業統治) の面からも地球環境や社会に対する企業の取り組みが加速している今、学生向けコンクールでも「サステナブル(持続可能)」はキーワードになっている。これらの施策に積極的に取り組んでいる仏大手ロレアルとLVMHグループの事例を紹介する。
今年で28回目を迎えるロレアルの次世代育成コンクール
ロレアルでは、1992年から世界中の学生を対象にしたコンクール「Brandstorm(ブランドストーム)」を開催している。毎年、時流に沿ったマーケティング課題が出され、学生は市場動向や最新の研究開発を踏まえながら、新製品のアイディアを提案する。各国のロレアル社員によるメンタリングもあり、同社の社風を肌で感じながらビジネスプランを磨き、ファイナリストは同社幹部の前でピッチができるというチャレンジだ。
最優秀チームにはパリにある世界最大級のインキュベーション施設Station Fで、3ヶ月のインターンシップの機会が与えられるとあって、参加者は真剣そのものだ。28回目を迎える今年のミッションは「化粧品産業でプラスチックレスな未来をつくる」で、65カ国から4万7,800人の学生が参加した。
ロレアルは、2020年6月末に、2030年までのサステナビリティ目標を発表。2025年までにエネルギー効率を改善して再生可能エネルギーを100%採用する、また、2030年までに製品のパッケージに使用されるプラスチックをリサイクルもしくはバイオベースの素材に100%切り替えるなど、複数のコミットメントを宣言した。今回のブランドストーム2020のミッションは、まさにこのサステナビリティ目標を達成に導くアイディアが求められている。
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