アモーレパシフィック「世界で最も革新的な企業」に4年連続ランクインの理由
◆ English version: Why Amore Pacific has made the “World’s Most Innovative Companies” list 4 years in a row
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「革新的」といわれる理由は、何もテクノロジー活用に積極的なだけではない。大きな組織としてイノベーションをどう生んでいくのかを考え抜き、実践している美容企業のひとつがアモーレパシフィックといえよう。米Forbesの「世界で最も革新的な企業100社」に4年連続でランクイン(2018年は18位)するなど、イノベーティブと評価されるのはなぜか、その強さの秘密を探る。
(※この記事は編集部が連載する『国際商業』2019年9月掲載記事に加筆・編集したものです)
アモーレパシフィックが韓国で展開しているアリタウムというビューティセレクトショップは、同社傘下のブランドだけにこだわらず、他社のトレンドなブランドも扱う。店舗でアプリを通じて商品を探すためのチャットボットを活用するなどデジタライゼーションにも積極的だ。
しかし、同社が真に革新的なのは、一斉を風靡し世界中に広まったクッションファンデーションなどその時代ごとに画期的な商品づくりを行い、また、海外にも縦横無尽に進出するなど、全社でイノベーションを成し遂げられる組織づくりをしている点にある。まずはその歴史からみていこう。
積極的なR&D投資と幅広い製品ラインで韓国トップ企業に
韓国を代表する化粧品企業としては、韓国最大で売上高約4,900億円の同社を筆頭に、売上高3,600億円のLG生活健康などがある。
アモーレパシフィックは、1945年の創業当初は、米コティや資生堂との提携による技術移転で製品開発を行っていたが、1954年に韓国化粧品企業として初の自社研究所を設立し、積極的なR&D投資により、開発した技術を着実に製品化することで成長してきた。
1980年代半ばごろから、輸入の自由化に伴い、海外有名ブランド化粧品が韓国国内市場に流入してきたころ、化粧品市場の成長は鈍化し、韓国内での競争がより一層厳しくなったが、機能性化粧品やエイジング化粧品などの消費者ニーズに即した商品をリリースすることで、国内最大手化粧品メーカーとしてのポジションを確立した。
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