パナソニックが仕掛けるスマートミラーは美容業界への激震となるか
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パナソニックが、いままでのメイクの概念を覆しかねないスマートミラーを開発中だ。忙しい女性たちの時短ニーズ、素肌をきれいに見せたいニーズ、トレンドメイクを一瞬のうちにまとえるニーズ……これからの美容ビジネスのあり方を一転しかねない激震が走る可能性もある。いわばMaaS(ミラー・アズ・ア・サービス)のはじまりだ。
スマートミラーの基本的なコンセプトは、鏡に映ったユーザーの姿からさまざまなデータをセンシングし、端末やクラウド側にある化粧品や天候、他ユーザーの傾向などさまざなデータとつき合わせ、各ユーザーに適したアイテムやソリューションをレコメンドするというものだ。一方で、ARや画像合成・処理技術を使って、試用や試着といった体験をバーチャル化することで、企業・ユーザー双方に時間的・空間的・コスト的なメリットを提供する。
こういったスマートミラーの開発・商用化の動きは加速している。2017年末には、化粧品ブランドM·A·Cが、カナダ・オンタリオ州に拠点を構えるAR企業・ModiFaceと提携。スマートミラーを一部店舗に導入した。ModiFaceは、開発されたスマートミラーが「フェイシャルトラッキングシステム」、「3Dビデオメイクレンダリング技術」などで構成されていると説明している。なおModiFace は、翌年2018年3月にロレアルによって買収されている。
その他にも、ハイアールをはじめとする世界各国の家電大手メーカーや、Hi Mirrorなどのスタートアップが大挙してスマートミラー開発・商用化に乗り出している。意外なところでは、米流通大手アマゾンもヴァーチャル試着のできる「Blended reality system」というスマートミラー関連の特許を取得した。その背景に、「ファッション産業への影響力拡大とデータ収集を狙っているのではないか」というメディア各社の分析がある。
パナソニックが開発する先鋭的なスマートミラーソリューション
世界に数あるスマートミラー関連製品のなかで、際立ったコンセプトで開発が進められている製品がある。パナソニックが開発する「スノービューティミラー&メイクアップシート」だ。各社のスマートミラーがヘルスケア領域に踏み込んでいるのと比較すると、メイクアップのソリューションに特化したものだ。製品化を牽引するイノベーション戦略室 戦略企画部 リーダーの川口さち子氏は、開発経緯について次のように話す。
「弊社のスノービューティーミラー関連のプロジェクトが発足したのは2013年。当時、テレビやモバイルなど既存の産業が縮小していくなかで、将来的にあるべき家電のカタチとは何か、新たなビジネスをどう展開していくべきかが社内で課題となっていた。議論を重ねた結果、お客様からのフィードバックを通してアジャイル的に製品を生む必要があるという結論にいたった。」
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