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「バイオテクノロジー」「生成AI」そして「センソリービューティ」がキーワード、2024年グローバルビューティテックトレンド予測

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2024年、グローバルにおける美容のテクノロジー領域はどのような方向性に向かうのか。BeautyTech.jpでは、注目すべきトレンド3つをピックアップ。今後の業界の進化のあり方を占う。


その1:クリーン&グリーンビューティ文脈のバイオテクノロジー

持続可能性のある社会への希求がますます高まるなか、遺伝子や細胞、生命活動にかかわる物質など生物由来の素材を研究し、その成果を医療や薬品、食品などさまざまな分野での製品開発に応用していくバイオテクノロジーが注目を浴びている。それは、化粧品業界でも例外ではない。また、この傾向は2024年も引き続き強くなっていくだろう。

化粧品業界において、バイオテクノロジー、とくに藻類や植物、微生物などの細胞を扱う“グリーンバイオテクノロジー”を牽引するのは、環境への負荷を減らす製品開発哲学「グリーンサイエンス」を掲げるロレアルだ。自然とサイエンスの持続可能な調和をうたい、サステナブルであり、かつ効果・効能が科学的に実証された高機能な製品の開発を同社の研究開発部門リサーチ&イノベーション(R&I)は進めている。

ロレアルR&Iの先端研究部門 グローバル ディレクターのアン・コロンナ(Anne Colonna)氏は、米誌『Glossy』の取材のなかで「私たちは自然を尊重しながら、高純度で高品質な原料によってイノベーションをし続けていく必要がある。バイオテクノロジーは自然そのものを革新する技術であり、原材料の調達や生産のスケールアップという点でも、自然環境に負荷の少ないバリューチェーンを実現する」と述べている。

そして、オレンジに含まれるビタミンCを例に挙げ、化粧品に10%配合するビタミンC溶液に十分な量のビタミンCを抽出するには、オレンジ数十個が必要になるが、バイオテクノロジーは、オレンジを絞るよりも費用対効果が高く環境に優しい方法で、より多くのビタミンCを複製し、生産することができると説明している。

化粧品業界では主に原料の開発・製造に活用される植物バイオテクノロジー。それは、植物細胞培養により大量のバイオマス(再利用可能な有機性生物資源)を得る第一世代から、自然界を模倣して化粧品用途の特定分子を生成する第二世代を経て、現在は、自然界では見つけることができなかった特殊な代謝を得るため、遺伝子自体を発現させる技術を開発した第三世代の段階に達しているとされる。

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