台湾はIoTスキンケア、韓国は化粧品スマートファクトリー。香水、漢方茶もカスタムの波【CES2021】(3)
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オンライン開催となったCES2021参加レポート第3弾は、台湾や韓国企業などのアジア勢をはじめとする各国スタートアップの製品やサービスを紹介する。パンデミックの影響で、人々の関心が心と体の健康に向いている世界的な傾向を受け、家でのスキンケアやフレグランス、漢方茶といったライフスタイルテクノロジーとウエルネスの融合ともいうべき試みが多くみられた。
台湾発「iCi」は本格的なIoTスキンケアソリューション
CESには、毎年世界中から数多くのスタートアップが集合するが、今年もアジア勢の奮闘が目立った。なかでも台湾は100社もの企業を集めたバーチャルパビリオンやコンファレンスを開催し、存在感を示していた。28の台湾発スタートアップが参加したHealth &Wellness部門の注目株は、2019年の仏「Cosmetic360」でもアワードを受賞しているバイオテック企業VesCirだ。
VesCirは、気温や湿度、ライフスタイル、生理などの影響で毎日変化する女性の肌を適切にケアするための研究を10年以上重ね、家庭用IoTスキンケアソリューション「iCi」を開発した。アップデートされた最新版のiCiは、医療用レベルの肌コンディション計測デバイスと専用スマートフォンアプリ、スキンクリーム調合ボトルの3アイテムで構成される。
デバイスを用いてユーザーがセルフで肌の状態を計測したデータは、アプリに送信されてAIが即時に分析し、今現在の肌に対して最も効果的なスキンケアの処方をアプリ上に表示する。ユーザーがその処方に沿ってボトルのメモリを調整すると、ボトル内に格納された2つの有効成分が指示された量でブレンドされ、カスタムメイドのクリームが抽出される仕組みだ。日々の肌データはアプリに蓄積され、肌の症状の変化のトラッキングもできる。
VesCirのバーチャルブース
韓国「enima」、スマートファクトリーによるスキンケアは91%の満足度
サムスン電子による社内外のベンチャーを支援する「C-lab」プログラムにも参加する韓国のスタートアップLILLYCOVER。同社は、家庭用の肌分析デバイス「Muilli」と、その診断にもとづいてカスタマイズされたシートマスクのサブスクリプションサービスを提供しているが、CES2021では、新製品「enima」を発表し、一歩進んだパーソナライズ化粧品の形を提示した。
「enima」は、Muilliで収集した個人の肌データをもとに、ロボットが14種類の成分を調合し、9,000のセラムエッセンス、8,000のローション、また、美容成分入りのファンデーションなど約1万種類の化粧品のコンビネーションのなかから、一人ひとりにパーソナライズした製品をわずか3分で作り出す「スマートファクトリー」だ。
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