リアルとデジタルの連携で新しい世界観をみせたコレクション発表【Rakuten Fashion Week TOKYO 2021 A/W】
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フィジカルとオンラインでのコレクション発表を併催した「Rakuten Fashion Week TOKYO 2021 A/W」。デジタルだからこその作り込みで観客の心を掴むブランドや、リアルとデジタル双方の利点を活用するなど、より魅力的なファッションウィークのあり方を探る機会となった。またジェンダーニュートラルなデザインマインドも随所にみられた。今回はKA WA KEYやTAE ASHIDA、mintdesignsなど注目のブランドをピックアップして紹介する。
Rakuten Fashion Week TOKYO 2021 A/Wコレクションはリアルとオンラインの併催
2021年3月15日〜20日、国内最大級のファッションの祭典「Rakuten Fashion Week TOKYO(以下Rakuten FWT) 2021 A/W」が開催された。前回の2021 S/S に引き続きコロナ下で開かれた今シーズンでは、51ブランドの50のコレクションが発表され、そのうち20がフィジカル、30がオンラインでの発表となった。
スタッフと来場者の人数制限や検温、マスクの着用など感染防止の対応や、オンラインでの国内外への発信強化といった施策を継続したのに加え、今季からの新たな試みとして、世界最大規模のファッションキュレーションマーケットプレイス「JOOR PASSPORT」と提携。世界中の20万を超える小売店バイヤーが、参加ブランドそれぞれのJOOR PASSPORT内ページを閲覧することを可能にして、商談をサポートした。
2度目のオンラインとオフラインの併催となった今回は、多くのブランドでデジタルとリアルをうまく組み合わせることでインパクトを高める工夫がみられたのに加え、ジェンダーニュートラルが進み、包括的なデザインマインドでファッションの可能性を広げるクリエイターが増えた印象だ。
tac:tacなどブランドの世界観を伝えるハイクオリティなオンライン発表
オンラインでの発表を選んだブランドは、ランウェイを単に再現するのではなく、どのようなシーンで身にまとう服なのかを自然に見せる物語性のある映像や、デジタルならではの編集や加工、演出を加えてブランドの世界観を表現する動画が目立った。
Rakuten FWT 2021 A/Wオープニングを飾った「tac:tac」のコレクション動画は、世代の異なる3人のモデルが演じる登場人物の日常風景を切り取る短編映画のような作品だ。「時間」を考えの軸として、シンボリックに自分を語ることができる既製服を提案するデザイナー島瀬敬章氏の、「全ての人々が共有しているにも関わらず、それぞれが異なる“時間”」への思索が滲んでいる。
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