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資生堂も出資のドリコス、IoTでサプリメントのパーソナライズ化。夢は医学分野へ

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前回の記事では香りのパーソンライズドサービスとして、CODE Meeeを紹介した。今回紹介するのは健康や美容分野のIoT開発に取り組むドリコスが開発したサプリメントをパーソナライズするhealthServerだ。現在は出資という形でタッグを組んでいる資生堂とは、将来的な連携も視野にいれているという。ドリコス代表取締役の竹康宏氏に話を聞いた。

40代、女性、肌荒れが気になる、というケースがあったとしよう。サプリメントとして推奨されるのは、ビタミンEであることが多いはずだ。しかし、現実はまた違ってくる。ビタミンEさえとれば、このケースにあてはまる全員がその悩みを解決できるかというと、そうではない。ある人はもしかしたらほかの栄養素が足りない可能性もある。どのサプリメントを、どのくらい摂取すればいいかは、個人ごとに違うのではないか。これがドリコスの考える出発点であり、オーダーメイドサプリメントを提供するIoTサーバー、healthServer(ヘルスサーバー)が誕生した理由だ。

このhealthServerは、個人の毎日の変化を探る。もっともシンプルなパターンでは、サーバーに両親指で20秒ほど触れて、脈拍などの生体情報を取得させるものだ。または会員登録をしたのちに、そのユーザーの前後のスケジュール、たとえばサプリを飲む前は運動をしていて、これからデスクワークをするといった情報を入力することで、healthServer側で必要な栄養素を推測することもできる。入力するデータはもちろん多いほうが、より的確な推測につながる。

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こういった個人データにより、心理的・肉体的なストレスがスコア化され、ベストな状態と比べて不足していると思われる粉末栄養素をhealthServerが都度、自動で配合する。それをユーザーは水やお茶に溶かしたり、サラダにかけたりして摂取する。マシンにセットされている栄養素は「ビタミンB1」「ビタミンC」「葉酸」など5種類だが、運動を積極的に行なっているユーザーからはプロテインが欲しいなどのニーズがあるため、今後はその種類を増やすことも検討しているという。

課題解決までを提供できるIoTとして個人向けも

ヘルスケア系のIoTとしては、アップルウォッチやフィットビットなどのウェアラブルデバイスもあるが、その場合は情報を取得してどう自分の課題を解決するかはまたユーザーが選んでいくことになる。つまり、課題を解決するためには、①自分のことを知る ②改善のための行動をとる という2つのステップが必要だが、ウェアラブルは①までを満たす存在だ。healthServerが画期的なのは、この①と②の2つのステップを同時に体現できることにある。課題解決まで一貫して提供できるIoTなのだ。

現在healthServerは、オフィス向けに提供されている。導入目的で多いのは、健康経営や仕事の生産性向上を目的とした従業員向けの福利厚生だ。最近ではホテルやスポーツジムなどにおいて、顧客満足度向上のための利用も増えている。どんなユーザーが多く使っているかについては、分布は極端に偏っているわけではないものの、比較的30代女性、美容や運動に気を使っているユーザーが多いという。

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