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コーセーの多角的オープンイノベーションはポートフォリオを広げ海外市場拡大へ

◆ English version: Kosé’s goes global with open innovation
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コーセーが、外部とのオープンイノベーションを一層進めている。パナソニックやカシオ計算機との協業、高校3年生が創業者の企業の採択、買収したタルトとの共同開発など、一見すると点のように見えるが、それは、モノを売るだけでなくサービスを含めたビジネス構築、ブランドポートフォリオ戦略、海外市場の開拓など、同社が掲げる「世界で存在感のある企業への変化」にむかう線上に連なるのものだ。

一連のオープンイノベーションにおいて、社内のハブの役割を担い推進しているのが、株式会社コーセー執行役員経営企画部長兼コーポレートコミュニケーション室長 原谷美典氏と、経営企画部経営企画室課長 持田卓也氏だ。

10年ほど前までは、社内でのビジネスコンテストや持ち込まれた協業案件もあったが、社内体制が整っておらず、立ち消えになっていたこともあったという。同社が美の体験も含めた新たな価値創造を意識し、オープンイノベーションを視野に入れ始めたのは、VISION2026の「Phase I:V字回復期」である2012年~2014年の時期だ。

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2019年3月期決算説明会資料より

前回、コーセーのアクセラレータープログラムの初年度の取組みを紹介したが、今回は、2019年12月にオープンしたコンセプトストアMaison KOSÉにおけるカシオ計算機やパナソニックとの協業、第2回目のアクセラレータープログラム採択企業、そして2014年3月に買収した米タルトとの協業について、何を学び、取り入れてきたのかの背景を紹介したい。

家電メーカーとの協業で得た知見

Maison KOSÉには、カシオ計算機との協業で生まれたネイルプリンターが5台並ぶ。また、パナソニックが開発中のスノー ビューティーミラーが実証試験のため設置され、肌質や肌トーンを分析をし、素肌に自然になじみ、シミなど気になる部分をカバーしてくれる極薄のカスタマイズシート(仮称)を作る体験ができる。

「カシオ計算機には、化粧品品質のネイル剤で複雑なデザインが自在にプリントできる素晴らしい技術がたくさん眠っている。それを、顧客が使いたくなるような仕様で提供したいと思ったが、着地点がなかなか見いだせなかった」(原谷氏)。

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