中国Z世代の化粧品消費、ハイブランドの口紅を好みスキンケアはプチプラで工夫
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Z世代の意識や消費動向は、グローバルでみて、似ているところが多い。中国においても同様で、これからの化粧品市場を牽引する「95后」やそれよりも若い世代がまさにそうだ。長らく「すっぴん志向」があった中国でも、彼らの意識は確実に変わってきている。
中国における化粧品の市場規模は、下記のグラフにあるとおり2012年から2017年の5年間で約2倍の2,514億元(4.2兆円相当)となった。日本における2017年度の国内化粧品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は2兆5,450億円であり、人口比が10倍程度であるのに対し、市場規模は日本の2倍にも満たない状態であることから、中国の化粧品市場の伸びしろがいかに大きいかがわかる。
参考:《2018-2023年中国化妆品行业市场
需求预测与投资战略规划分析报告》
日本と比較すると、メイクアップアイテムの販売割合が少ないのも特徴である。日本では20%程度を占めるチーク・アイライン・口紅などのポイントメイク(下記グラフの「彩妆」)の割合が、中国では6.74%だ。販売の半数以上を占めているのが化粧水・乳液などの基礎化粧品(グラフでは「护肤品」)であり、スキンケアに重点がおかれている。
参考:《2018-2023年中国化妆品行业市场
需求预测与投资战略规划分析报告》
この売上比率からみても、中国ではまだまだメイクをする習慣が多いとはいえない。日本のように「化粧をしないで人前に出るのは失礼」という社会通念も基本的にはあまりなく、以前筆者が勤めていた上海の日系企業では、中国人女性の7割ほどがノーメイクだった。
これは中国の伝統的な考え方である「自然美」からきている感覚らしい。漢方文化の「体に良いものを食べ、生活規律を良くすれば、肌も自然にきれいになる」という概念が根づいているのを感じる。そのため、「すっぴん」できれいな女性こそが本当の美人で、逆に毎日しっかり化粧をしているのは自分を偽っているという意識が根底にあるのではないか。
また、1976年まで続いた文化大革命の影響も少なくないようだ。当時は、おしゃれや化粧をしていると資本主義の追従者と見られて、厳しい批判を受ける風潮もあったとされ、そのため、「化粧は良くないこと」という親世代の意識が残り、それが受け継がれているということもあるだろう。
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