中国ブランドは、地方から都市圏の「95后」たちへも浸透中。YES! ICなどにみる躍進
◆ English version: How Chinese brands are infiltrating local areas and urban Gen-Zers
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中国の化粧品市場において、中価格帯以下でプレゼンスを増す中国ブランド。前回はその代表として「CHANDO(自然堂)」と「PECHOIN(百雀羚)」の戦略について紹介したが、今回は、なぜこういった中国ブランドが支持されてきているのかを、市場環境やユーザー視点から分析してみたい。
早くから外資に市場を開放していた中国の化粧品業界は、長らく海外ブランドの寡占・独占状態だった。だが近年、中国の国産ブランドは着実にシェアを伸ばしている。現地の報道によると、中国国内シェア上位20社以内に入る中国メーカーは、2012年に6社だったのが2017年には8社に増え、中国メーカー全体のシェアも2012年の7.6%から2017年には14.3%と倍増している。中国メーカーは、いかにしてシェアを拡大させたのだろうか。
専門店とECチャネルで地方の小都市を取り込み
その牽引役は「3線都市」と「4線都市」だ。上海市や北京市をはじめとする「1線都市」やそれに準ずる経済規模を持つ、四川省成都市や浙江省杭州市などの「新1線都市」、その下の遼寧省大連市や福建省アモイ市などの「2線都市」では海外ブランドが圧倒的に強く、シェアを切り崩すのは容易ではない。しかも、伝統的チャネルである百貨店には有名ブランドしか入れない。
そこで中国メーカー各社が目をつけたのは、ワトソンズ(屈臣氏)のようなドラッグストアチェーンや専門店チェーン、それにECだ。ワトソンズのウェブサイトによると、同社は中国国内438都市で3,200店舗を展開。広東省を中心に展開する化粧品チェーンの代表格「GIALEN(嬌蘭佳人)」は、2017年8月時点で2,000店舗を展開。いずれも3線、4線都市を広くカバーしている。
中国の小都市で出店を加速させる
ワトソンズ(画像は香港の店舗
/出典:A.S.Watson Group)
とはいえ、チェーン店にしてもECにしても、ブランド認知度が低ければ購入にはつながらない。そこで中国ブランド各社は、一時期好調だった韓国コスメに習い、タレントをイメージキャラクターに起用したり、テレビやインターネットの人気番組の冠スポンサーになるなどして、広告宣伝に力を入れた。現地の報道によると、「Herborist(佰草集)」などを展開する「Jahuwa(上海家化)」が2017年に投じた広告宣伝費の営業収入に占める割合は31%で、海外ブランドのそれを大きく超えている。
出典:Jahuwa公式サイト
Herboristページより
もともと3線都市以下の規模の都市では、化粧をする習慣そのものが浸透していなかったが、可処分所得の上昇と、そこに大量に投下された中国ブランドによる広告宣伝により、スキンケアやメイクをする文化が徐々に普及していった。
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