フェムテックは「自分らしさ」へ。BuzzFeed Japanと連動企画スタート【国際女性デー2019】

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欧米を中心に盛り上がりをみせる、女性の健康に関する問題をテクノロジーで解決しようとする試み「フェムテック」。BeautyTech.jpでも取り上げてきたテーマである。今回は3月8日の国際女性デーにちなみ、BuzzFeed Japan(以下、BuzzFeed)と連動したフェムテック記事企画キャンペーンをスタート(プレスリリースはこちら)。開始にあたり、BuzzFeed Japanニュース編集長 小林明子氏と、BeautyTech.jp編集長 矢野貴久子が、なぜ今、両メディアがフェムテックに注目するのかを語る。

矢野:このキャンペーンを通して我々BeautyTech.jp編集部では、美容業界に関わる方々に、女性の健康をサポートし、かつ美にも密接に関わるフェムテックが新しい市場をつくるものであり、ビジネスチャンスも大きいことをもっと知っていただきたいと思っています。一方、BuzzFeedさんとコラボさせていただくことで一般の読者の方にも注目していただけるのがとても嬉しいです。より若い世代に向けては、BuzzFeed Kawaii@cosmeもサポートしてくれます。今回、フェムテックというテーマに注目された理由を教えてください。

小林:BuzzFeedでは、これまでも「だから話そう性のこと」といった特集をし、ボードをPinterest上に設けるなどして、どこか話しづらいセックスや性について、友達との会話のきっかけにしてもらいたいという思いで、さまざまなコンテンツを発信してきました。

矢野:「だから話そう性のこと」にあるコンテンツ、拝見しています。生理あるあるをまとめたマンガなど、リアルで面白いですよね。読者の方からはどんな反響がありますか?

小林:読者からは、ピルのこと、性感染症のこと、マスターベーションのことなど、ちょっとした疑問なんだけど友達とは話せないレベルの情報や、みんなの「本音」が聞けるのがよいという声が寄せられます。記事を通して、根深く存在するジェンダーバイアスを問い直すきっかけになるとよいなと考えていて、今回フェムテックのお話をいただいたときに、そのジェンダーバイアスの部分と深く重なるのではないかと思いました。

BuzzFeed Japan特集エディター 小林明子氏

矢野:ジェンダーバイアスは、どの社会でも根深くありますよね。いろいろなジェンダーバイアスがあるし、BuzzFeedの記事を読んで、自分も無意識なバイアスをもっているんじゃないかと自問自答することもあって、色々な気づきをいただいています。

小林:バイアスという意味では、日本ではさまざまな場面において、女性が最新のテクノロジーに頼ることは「悪」とされる風潮がありませんか? 例えば、出産においても、「無痛分娩だなんてとんでもない! おなかを痛めて産むからこそ愛情が湧く」などといった、昔ながらの古い考えがいまだに残っています。最新の技術に頼ればものすごく楽になるのに、精神論を強いられてしまう。私たちはそうした状況に、少し慣れすぎてしまっているのかもしれません。

矢野:おっしゃるとおりです。生理痛は我慢すべきもので薬には頼りたくない、という考え方もありますよね。最終的には個人の選択ですが、選択肢は広く持っておいたほうがいい。その選択肢をテクノロジーがぱっと広げてくれているイメージがあります。

小林:無意識のうちに、「女性はこうあらねば」と、(女性自身が)自らを縛っているところはどうしてもある。そうした呪縛をといて、もっと課題解決に対する罪悪感や気持ちのハードルをなくしていけたらいいですね。そういえば、フェムテックはシリコンバレーが発祥の地だと聞きました。

矢野:そうです。ただ、「フェムテック」とは呼ばなくても、各国でソリューションは以前から少しずつ出てきていたと思うんです。日本でいえばルナルナのようなサービスですね。それが米国でフェムテックという言葉でくくられはじめたのが2〜3年前でしょうか。この言葉を聞いたときに、得心したというか、すとんと落ちるものがありました。企業や提携する医療機関などにとっても、いままでリーチできなかったデータを集積できて、よりよい解決にむけて研究や開発が進むはずです。

小林:フェムテックは、Female×Technologyの略ですからわかりやすいですよね。FinTech(フィンテック)やEdTech(エドテック)と同じようにとらえていけます。米国ではここに課題があるとより感じていたわけですよね。

矢野:はい。以前ヒラリー・クリントンさんが、2016年の米国大統領選の敗北スピーチでガラスの天井について言及されたときに、女性の社会進出が日本より進んでいると思われる米国でさえも、「女性はこうあらねばならない」という圧力や女性自身の気持ちのハードルがいまだに重くのしかかっていることを改めて感じました。

BeautyTech.jp編集長 矢野貴久子

小林:同感です。そして、そのハードルを打ち破ろうというパワーも米国は強いですよね。そういったなかで「女性の生きづらさ」の、とくに体や心にまつわる悩みがテクノロジーによって解消される、楽になることは素晴らしいことだと、フェムテックがテーマの記事を通して伝えたいと思います。女性の生きづらさのなかでも、特に性にまつわることは、人に言いにくかったり、相談しにくいもの。医者に行くのも恥ずかしいから、ネットで情報を検索するけれども、すべてが正しい情報というわけではない。何重にも壁があります。

矢野:ほんと壁ありますよね。でもこれってどこでも共通の課題だから、世界的なムーブメントになりそうです。そもそもフェムテックの名づけ親も、Clueという月経トラッキングアプリを開発したベルリン発の企業のスウェーデン人CEOであるアイダ・ティンさんとされています。

小林:国を問わない課題ですしね。とくに日本では女性特有の悩みを自分で抱え込みがちですから、それを自宅にいながらにして、信頼できるアプリで相談したり解決できたりしたら素晴らしいです。フェムテックでは「女性が抱える体の悩みをテックで解決する」わけですが、“女性による女性のためのプロダクト”であることが多いと聞きました。女性が自らの課題解決を商品に託しているということですね。

矢野:そうですね。あるいは、そういった女性の悩みを理解したり身近に感じている男性もいます。女性の社会進出が進むにつれ、これまで男性主導で商品開発が行われていた現場に女性が加わり、また、自らフェムテックで起業する女性も増えてきました。そこに、男性が多くを占めるファンドや投資家たちも気づき「これは大きい市場になる」とみている。そういう意味で今後ますます成長が期待される市場のひとつです。

小林:男性主導の時代には「気づかれていなかった市場」なのかもしれません。そういう意味では潜在的なニーズは大きいといえますね。

矢野:はい。気づかれていなかったのは、女性側も「そういうものだ」と思って、声をあげたりアクションを起こすきっかけがつかめなかったからかもしれません。だから、#MeTooのムーブメントも後押しした感じですね。最近は女性投資家も増えフェムテック市場にさらに資金が流れはじめたことも、世界的な市場の盛り上がりに大きく影響しています。今では、フェムテック専門の投資会社も存在するほどです。

小林:なるほど。私たちも、#MeTooの流れは取材も重ねて実感し、生きづらさに声をあげるという動きは若い世代や男性にも少しずつ浸透してきているので、そこにフェムテックの潮流があるのは自然に理解できます。フェムテックが一般の人に広まることでの、社会的なインパクトはどこにあると思われますか?

矢野:女性が抱える体に関するさまざまな問題が可視化され、共有しやすくなるというのがとても大きいと思います。たとえば、継続するのが大変な基礎体温を自動的につけてくれるデバイスがあります。基礎体温の変化をグラフで簡単に表示できるようになったら、PMS(月経前症候群)で「この時期は大変なんだ」というのを男性やまわりの人にもわかってもらいやすいですし、妊活中のカップルは、アプリで排卵日を確認することができる。あるいは、センサー付きの生理用ナプキンや月経カップを使うことで、経血の状態を調べて体の不調をみつけるなど。問題があること、抱えているつらさを可視化して共有し、それにしっかり対処していこうと前向きになれると思います。

小林:女性だけでなくて、カップルも含めエンパワーメントされますよね。そんな未来がきたら、素晴らしいですね。なにか女性特有の体の問題があったとしても、それは全然恥ずかしいことではなくて、フェムテックを使うことでクールのほうに向かえる、むしろこれが最先端なんだ! ということを伝えていきたいですね。

矢野:少しでも悩みや不安を減らすことで、より自分らしく生きることができるのがクールですよね。

小林:「自分らしさ」はBuzzFeedが大事にしているメッセージのひとつでもあるんです。反響が大きかった「最強に盛れる自撮りアプリ」がヤバイ、とにかくヤバイ」というコンテンツは、テクノロジーの力がなければ気づけなかった「元の自分のよさ」を知って、もっと自分を大事にしようというメッセージが込められています。今日から始まるキャンペーンでも、フェムテックを多くの人に知ってもらい、テクノロジーを使って自分の体と向き合い、今よりも自分のことを大切にするきっかけにしてもらえるとうれしいですね。このキャンペーンに連動しているTwitterアワード「#わたしの本気はすごい選手権」では、そんな一歩を踏み出したいみなさんからの投稿がたくさん集まることを期待しています。

Text: 小野梨奈(Lina Ono)
Photo: 伊吹早織(Saori Ibuki・小林明子さん分)
Top画像:志谷のぞみ(Nozomi Shiya / BuzzFeed)

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BeatyTech.jpは、BuzzFeed Japanとコラボレーションして、ビジネスチャンスの大きい新しい市場として世界的に注目を浴びている「フェムテック」をテーマとした記事キャンペーンを展開。国際女性デーにちなんで2019年3月8日(金)〜31日(日)、フェムテックに関する記事を積極的に配信するほか(記事一覧はこちら)、花王ロリエ&めぐりズムの協賛のもと、Twitterのハッシュタグ「#わたしの本気はすごい選手権」を使ったアワードを実施いたします。

■Pinterestの特設サイト https://pin.it/cyopcqetzs34am
   BeautyTech.jpのフェムテック関連記事一覧はこちら

Twitterアワード「#わたしの本気はすごい選手権」
期間:2019年3月8日(金)〜3月25日(月)
応募方法:「女らしさ」や「男らしさ」の壁や思い込みを乗り越えるために本気を出したことについてツイートを募集します。
賞:BuzzFeed Japan賞(1名)/ BeautyTech.jp賞(1名)/ 花王ロリエ&めぐりズム賞(1名)/ ナイキ賞(1名)
発表:2019年4月4日(木)
※受賞作品は、BuzzFeed Japan NewsやBeautyTech.jpで発表し、受賞された方には発表後に各賞の記念品を贈呈します。記念品の詳細はプレスリリースでご覧ください。

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BeautyTech.jp

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