欧米で拡大するヘアケア市場、革新的コンセプトのブランドからAI髪質分析、高機能ドライヤーまで
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シャンプーやコンディショナーのみならず、ヘアマスクやオイルといった製品群からスタイリングツールなどのガジェット、あるいはAIによる髪質タイプの分析まで、製品・サービスが多岐にわたるヘアケア市場は、スキンケアに並ぶほどビジネスポテンシャルが高くなっている。健康志向の消費者の目が髪や頭皮にも向けられている昨今、投資や買収、新ブランドなど活況を呈する欧米のヘアケア分野でイノベーションをけん引する企業やブランドを紹介する。
2029年には1,084億ドル超の成長が期待されるヘアケア市場
ロレアルCEOのニコラ・イエロニムス氏が「ヘアケアは、新しいスキンケアの位置付けになってきている」として、消費者の興味・関心が、美しく健康な髪を手に入れることと、それを叶えるための製品やお手入れ方法に積極的に向いていると示唆したのは2023年2月のことだった。あわせてイエロニムス氏は、ヘアケアカテゴリーは同社にとって大きな可能性を秘めた分野であり注力していくとも語った。
スキニフィケーション(Skinification, ヘアケアのスキンケア化)はここ数年の潮流であり、2024年も欧米では、ユーザーニーズも、それに呼応するブランドもヘアケアに注目する傾向が続いており、むしろ、ますます加速しているようにもみえる。2023年後半からユニリーバがヘアケア関連企業への投資や買収に動き、2024年2月には世界的スーパースターのビヨンセ氏がヘアケアブランドを立ち上げるなどしている。
また、調査会社Mordor Intelligenceは、世界のヘアケア市場規模は、2024年に905億9,000万ドル(約13兆3,738億円)と推定され、2029年までに3.66%のCAGR(年平均成長率)で成長し、1,084億3,000万ドル(約16兆75億円)に達すると予想している。同社はまた、市場拡大の背景として、世界中の消費者が髪の健康志向を強めていることや、シャンプー、コンディショナー、スプレー、オイル、あるいはドライヤーをはじめとするガジェットなど、ヘアケアカテゴリーには多くの製品が含まれサービス提供の幅が広いこと、そして、ライフスタイルの変化やストレスレベルの上昇に伴い、抜け毛やフケ、痒みなど髪と頭皮の悩みを抱える人が増加していることなどをあげている。
活況の欧米ヘアケア市場で、新しい原料やテクノロジーを活かした製品・サービスの提案や、ユニークな消費者アプローチを試みる企業・ブランドをピックアップして紹介する。
AIによる正確なヘアタイプ分析でパーソナライズするMYAVANA
2014年に黒人女性が創業し、米ジョージア州アトランタに本社を置くMYAVANAは、AI技術とデータドリブンなレコメンドにより、ユーザーに最適なヘアケアを提案するビューティテック企業だ。
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