スギ薬局、スギスマホオーダーの次に見据える顧客ID統合とデジタル健康台帳の実現
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DXを積極的に推進する大手ドラックストア株式会社スギ薬局が、商品を事前にアプリで注文し、店頭または車上で受け取ることができるサービス「スギスマホオーダー」の提供および実証実験を開始した。システム開発に採用されたのは、株式会社10Xが運営する小売チェーン向けECプラットフォーム「Stailer」だ。株式会社スギ薬局 取締役 DX戦略本部本部長 兼 社長室室長 森永和也氏と、株式会社10X 事業開発部 角山翔大氏にサービス開発の背景や導入過程について話を聞いた。
スギスマホオーダーで顧客体験と従業員体験向上を同時に実現
「スギスマホオーダー」は、スギ薬局の店舗で販売されている医薬品(要指導・第一類医薬品を除く)、化粧品、日用品、食品などの商品注文から受け取り、および店舗の指定、決済までが可能なアプリだ。商品注文と決済を済ませておけば、ユーザーは最短2時間後から店頭もしくは店舗駐車場(車上)で商品を受け取ることができる。
2022年6月にローンチされたスギスマホオーダーは埼玉県・川口末広店で実証実験を開始しており、利用可能な店舗を順次拡大していく計画とする。サービス利用料は1注文ごとに税込み220円でクレジットカード決済となる。
株式会社スギ薬局 取締役 DX戦略本部本部長 兼 社長室室長 森永和也氏は、「リリースからまだ間もない段階だが、店舗近隣、もしくは通勤ルートが近い子育て世代の女性など、想定したペルソナに近いお客様の利用が確認できている」とし、スギスマホオーダーをリリースした狙いについて次のように説明する。
「スギスマホオーダーを開発した最大の理由は、店頭の作業を効率化し、スタッフがお客様とスムーズにコミュニケーションを取れる時間や環境をつくることにある。あわせて、お客様が来店しなくても、商品の特徴・値段・在庫などの基本的な情報を、スマートフォンを通じてしっかり把握できるようにしたいという狙いがあった」(森永氏)
詳細については後述するが、スギ薬局では2020年後半からDXに注力。2021年にはDX戦略本部を立ち上げトップダウンで改革を進めてきた。店頭やバックエンドの業務、社内情報システム、物流、マーケティングなど、DXに際して部署間の対立や齟齬が発生しないようにDX戦略本部を中心とした組織改革も断行している。リリースされたスギスマホオーダーは、一連のデジタル施策のうちのひとつであり、顧客体験と従業員体験の双方の向上に目標が設定されている。
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