薬王堂とNoveraのAIレコメンドアプリ、顧客体験から小売のビジネス変革までの展望
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東北6県に店舗を構えるドラッグストアチェーン・薬王堂と、AI肌診断スタートアップのNoveraが協業。AIレコメンドアプリを共同開発することを発表し、2021年10月下旬に薬王堂公式アプリ実装が完了した。薬王堂が保有する購買データとNoveraが持つ肌診断データを掛け合わせた新たなAIレコメンドアプリは、顧客体験だけでなく、小売のビジネス改革も見据える。両社が協業にいたった背景や今後の展望も含め、株式会社薬王堂ホールディングス 取締役常務執行役員 経営戦略本部 本部長 西郷孝一氏、株式会社Novera 代表取締役社長 CEO 遠藤国忠氏に話を聞いた。
早くからDXを意識しデータ整備に投資してきた薬王堂
薬王堂は1991年に設立された、岩手県紫波郡に本社を置くドラッグストアチェーンだ。創業から30年以上の歴史を持つ大手企業で、現在は東北6県に339店舗を展開している。一方、AI肌診断「skinsense(スキンセンス・2021年11月 「viewty skin checker」より名称変更)」を展開するNoveraは、独自の理論で収集した肌データを5万件以上保有しており、API形式で提供する同社ソリューションの導入企業は10社を超える。
同社の肌診断の特徴は、大きく2つある。美容部員の知見がデータとしてとりこまれていることと、AIによるアルゴリズムのチューニングの精度の高さだ。
知名度の高い小売大手企業と、AI技術を磨き続けるビューティテックベンチャーが協業を始めたきっかけは何か。薬王堂の経営戦略本部長を務める西郷孝一氏はいう。
「もともと薬王堂では、(顧客が自分で棚から手に取る)セルフで化粧品を販売する方針を取り続けてきたが、店内ポップなどで商品の訴求力を高めることに限界を感じ始めていた。そのためデジタルを活用し商品の良さを伝えていく必要性を認識し、3~4年前から店内にデジタルサイネージなどを設置する施策を展開してきた。現在、薬王堂の各店舗にはiPadくらいの大きさのサイネージ6台、大きいサイズのもの2台、計8台ほどが設置されている。ただ、商品そのものや商品の良さを伝えるだけでは、顧客が新商品を手に取って検討するというハードルはなかなか乗り越えられない。より効果的な仕組みづくり考えていたときに、Noveraの肌診断AIの存在を知った」
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