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Spartyのパーソナライズ・プラットフォーム構想、新スキンケア「HOTARU」で加速

◆ English version: Hotaru — a glowing new skincare brand from Japanese personalization specialist Sparty
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会員数が15万人を突破した(2020年6月時点)日本初のパーソナライズ・ヘアケアブランド「MEDULLA」を運営する株式会社Spartyが、満を持してスキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED」をローンチした。同社が目論むのは「パーソナライズ・プラットフォーム」だ。この夏にはMEDULLAとHOTARUのID統合も予定されている。

2018年5月22日に発売されたパーソナライズ・シャンプー「MEDULLA」に続き、「HOTARU PERSONALIZED(ホタル パーソナライズド)」が2020年の同じ5月22日に登場した。その発売からわずか3週間で、オーガニックの流入のみで診断数が1万回を突破。コンバージョン率は同社のパーソナライズ・ヘアケアブランドであるMEDULLAよりも高く、購入者の約半数が新規顧客だという。しかも、反響があったのは女性だけではないと語るのが、株式会社Sparty HOTARU PERSONALIZED ブランドマネージャーの西田将之氏だ。

 「MEDULLAは、女性ユーザーが圧倒的に多いが、HOTARU PERSONALIZEDは男性の購入者が想定以上に多かった。女性は20〜50代と幅広い年代のユーザーが購入しており、かなりの手応えを感じている」(西田氏)

ブランド名のHOTARUには、「ホタルが、種類や個体によって光り方が異なるように、人間の輝きかたは一人ひとり違う。自分だけの輝きを見つけてもらいたい」という思いや、海外展開を見据えて「日本らしさを感じられる名前にしたい」という思いが込められている。

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HOTARU PERSONALIZED
通常価格9,200円、
定期コース8,280円(税別)
提供:Sparty

西田氏によると、パーソナライズ・スキンケアの構想そのものは、2018年5月にMEDULLAをリリースするタイミングの段階で、すでにあったという。MEDULLAを運営しながら、そこで培ったパーソナライズのナレッジやバリューチェーン分析を活用して開発されている。

HOTARU PERSONALIZEDでは、10問からなるWebアンケートへの回答とカメラ撮影による肌解析から肌状態を11万通りに分類する。その結果に合わせて処方をマッチングして、「ローション」と「モイスチャライザー」の2品が調合される。

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複数種類の美容液の中から
最適の2つが調合される
モイスチャライザー
出典:HOTARU PERSONALIZED

2ステップケアにした理由について、西田氏は、「HOTARU PERSONALIZEDを使うだけでスキンケアが完結するようにしたかった。オールインワン商品も検討したが、OEMとして生産を担当している株式会社サティス製薬と協議していくなかで、保湿を目的としたローションと、美容液入りのモイスチャライザーで完結させる2ステップケアが最適という結論に至った」と話す。

Webアンケートの設計や処方とのマッチングについても、サティス製薬と密に連携しながら、約半年間かけて開発を行った。アンケートの基本的な部分は、比較的早く固まったが、診断結果を処方としてマッピングしたときに分布の偏りがないかを確認し、ロジックが甘い部分の微調整を何度も繰り返した、と開発の苦労をにじませる。

カメラによる肌診断で客観的な評価を追加

また、MEDULLAの診断プロセスにはなかった機能で今回新たに導入されたのが、カメラによる肌診断だ。バーチャルメイクアプリ「YouCam メイク」で知られるPerfect社のAIの肌診断機能をAPI連携で使用している。Webアンケートでの自己診断だけでは実際の肌状態と異なる場合が多いため、カメラ撮影による客観的な評価を加えることで、肌状態をより正しく診断できるようになった。

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カメラによる肌診断
提供:Sparty

「HOTARU PERSONALIZEDは、データをもとに最適化していくスキンケアなので、実際に使ってみた使用感や肌状態の変化を知ることができるオンラインカウンセリングを定期的に受けてもらうことを重視している」と西田氏はいう。そのため、次回の商品を届ける前にメールで促すほか、マイページにログインしたタイミングでバナーを表示するなどして、カウンセリングを受けるようにユーザーに働きかける。集まったユーザーのフィードバックデータは社内で処方ごとに分析され、満足度が低かった処方については、パーソナライズのロジックを見直すほか、よりよい成分への代替を検討するなど、サティス製薬との連携により処方をつねにアップデートしていく。これを繰り返し行っていくことで、一人ひとりの肌に合ったスキンケアが完成していくのだ。

オンラインカウンセリングのほかにも、マイページのフリーコメント欄や各SNSアカウントに寄せられるダイレクトメッセージなど、ユーザーとの直接的なコミュニケーションの窓口を複数持ち、商品に関する質問や肌悩みの相談にも随時対応していく予定で、その対応のための社内教育プログラムも現在制作中だ。

「ユーザーの方々の『なりたい自分、状態』に近づきたいという思いに最大限寄り添うことに大きな意味があると考えている。それを少しでも助ける機能として商品がある」と、西田氏はパーソナライズした商品を届けることが主目的ではなく、サービス自体がユーザーに常に寄り添っているという状態が、Spartyが提供したい仕組みなのだと説明する。

その意味でもパーソナライズの仕組みはアルゴリズムに任せきりにはしない。ロジックの構築にはしっかり時間をかけたが、今の技術ではそれは完璧ではない。前述のようにフィードバックやフリーアンサーを人間の目で追い、ロジックには組み込まれていなかったユーザーの要望や気持ちをていねいに拾っては組み込んでいく作業を繰り返すのだ。

「ユーザーに寄り添う」を重視したUI設計

Webでのコミュニケーションや購買を含めた体験全体の設計は、MEDULLAで得た知見を踏襲している。HOTARU PERSONALIZEDは、グレイッシュブルーを基調とした性別や年代によらないニュートラルなデザインで統一しており、無機質になりがちなアンケート回答部分は、視覚的に選択できるようなギミックを効かせ、回答するのが楽しく、手間がかかると思わせないUIにこだわっている。小さな円が追随するマウスポインタも、暗闇に光るホタルを連想させるデザインだ。

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肌トラブルの選択画面では
肌悩みが書かれたサークルが動く
出典:HOTARU PERSONALIZED

診断ページには、今の肌状態や調合された成分についての解説のほか、一人ひとりの肌や生活習慣にあわせたアドバイスが表示される。ここはMEDULLAの診断ページとは大きく変えた部分だという。「スキンケアは、(ヘアケアに比べて)効果を実感するまでに、ある程度の時間が必要だ。診断ページでは、今の肌状態や調合された成分をきちんと知って、納得して使ってもらえるようにした」(西田氏)。

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診断結果は、「処方箋カード」として
商品にも同梱される
出典:HOTARU PERSONALIZED

KPIをあえて設定せず、サービスのチューニングに注力

現状は、新型コロナウイルス感染症流行の余波もあり、具体的な販売目標は設定していない。その理由について西田氏は、「KPIということでいえば、目標とする販売数やカウンセリング数、アンケート満足度などいろいろある。とはいえ、あえて最重要KPIである販売予算はもたないようにしている。パーソナライズの根幹は、『自分に合うものを見つけてもらう』ことにある。商品を一度購入して終わりではなく、継続して使ってもらうために、いかにユーザー一人ひとりの満足度を高められるか、マーケットにフィットするサービスにしていくかが大事であり、今はそこにフォーカスして取り組んでいる。その結果、自然と数字はついてくると考えている」と話す。目先の数字を追いかけて、顧客の満足度が下がるようなことがあってはならないという考えのもとだという。

その背景には、MEDULLAの展開でわかった、ユーザーの休止理由がある。ユーザーが休止を決めるときの大きな理由が「処方の満足度」だった。休止率を下げるために、休止ユーザーの診断結果や処方を分析し、パーソナライズのロジックを見直す、というプロセスを繰り返した。その結果、ユーザーはMEDULLAが一緒に商品をアップデートしてくれる、つまり寄り添ってくれることに気づき、受け取った商品における満足できない部分について、さらにフィードバックを戻してくれるようになった。現在、MEDULLAの継続率は70〜80%であり、他社のデータと比較しても非常に高い数字だという。

西田将之


株式会社Sparty HOTARU PERSONALIZED
ブランドマネージャー 西田将之氏
提供:Sparty

Spartyは、2020年夏にはMEDULLAとHOTARU PERSONALIZEDのユーザーIDを統合し、それぞれの診断結果や満足度のデータを蓄積していくという。そのうえで、ヘアケア、スキンケアに続く、複数のパーソナライズの新サービスを計画中だ。「将来的には、Spartyの商品だけでなく、他社商品も含めて、ユーザー一人ひとりのパーソナライズ診断に合った商品をリコメンドするプラットフォームを目指す」(西田氏)。

D2Cブランド、そしてパーソナライズアイテムであるからこそ実現できる「パーソナライズ・プラットフォーム」では、ユーザーはSpartyのより良いサービスが受けられるならと、ブランドを信頼して自らデータを託す。その後もユーザーとの双方向のコミュニケーションを通じて、データもサービスもさらに磨きがかかり洗練されていく。このエコシステムを、どんなプラットフォームやECよりも先駆けて実現しようとしているのがSpartyの戦略といえよう。向かう先の未来には、もはや美容だけにとどまらないパーソナライズサービスを見据えているようにも思わせる。

Text: 小野梨奈(Lina Ono)
Top image: Sparty提供

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