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ニベアが韓国の美容スタートアップを支援&韓国アクセラレーター事情考察

◆ English version: Germany’s Nivea backing beautytech startups in South Korea
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そのユニークなプロダクトや世界観で、グローバルで存在感を放つK-Beautyだが、ビューティテック関連のスタートアップも、さまざまな企業のバックアップを受けて成長を加速させている。2018年末には、ニベアブランドを保有するバイヤスドルフが、韓国で独自のアクセラレータ・プログラムを開始するというニュースも報じられた。自国や近隣の欧州ではなく、韓国で展開する意図とは。そして、韓国の美容スタートアップを取り巻く支援の現状をもみていきたい。

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Photo By Beiersdorf.com

韓国でニベアとWeWorkが提携、独自プログラム開始

2019年1月の段階で、全世界では約190のアクセラレータが活動しており、支援を受けているスタートアップ企業は約7800社との統計がある。各国の大企業が独自に行っている社内プログラムなどを勘案すれば、その数はさらに大きなものになるだろう。

世界のトレンドと並行して、ここ数年、ビューティー業界においてもプログラムの展開は顕著になっている。一例では、業界トップ・ロレアルが、2016年にロンドンのアクセラレータ企業「Founders Factory」と提携。2017年には、パリに拠点を構えるスタートアップキャンパス「STATION F」への投資も決定している。ユニリーバも、2014年から「ユニリーバ・ファウンドリー」というアクセラレータ・プラットフォームを運営。現在まで、ベンチャー企業とともに約100のパイロット製品およびプロジェクトを立ち上げたと同社の公式サイトで説明している。一方、日本でも2018年にコーセーが「コーセーとの共創によるInnovation Program」の公募を開始した。

世界各国でビューティー系企業によるプログラムが展開されるなか、ニベアブランドを持つドイツのスキンケア企業のバイヤスドルフが、韓国で独自のプログラムに乗り出すという興味深いニュースがあった。バイヤスドルフは、コワーキングスペースを運営するWeWorkと提携し、ソウルに「次世代Kビューティーイノベーションハブ」を設立すると発表した。このイノベーションハブはニベアブランドが後援することとなり、プログラムに選ばれた韓国スタートアップ企業には、バイヤスドルフが所有している世界トップレベルのスキンケアに関する専門知識が共有される予定だ。またマーケティング、セールス、デジタル、流通、R&Dなど各部門の最高責任者によるメンタリングの機会も提供される。

独企業であるバイヤスドルフが、自国ではなく韓国のビューティー系スタートアップ企業の支援に乗り出す理由は何か。同社アジア太平洋地域のブランド研究開発を担当するRalph Gusko氏は、その理由について次のように説明している

「ほとんどのグローバル企業が自国の発展と投資に没頭しているが、我々はビューティー産業の未来が始まる場所に注目した(中略)。 Kビューティーで世界的な美しさのトレンドをリードし、デジタル技術の世界的リーダーでもある韓国と歩みをともにしようと思う」

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