仏ロレアルに学ぶ、戦略的CVCのつくり方
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どう新規ビジネスを見極め、育てるか。いかにグローバルで勝ち抜くための技術を手に入れるか。既存企業の課題を解決するためのひとつの鍵が、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)だ。
ここ最近、日本企業のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の創設が活発化している。CVCとは、一般企業が自社の資金を使ってベンチャーへの投資を行うスキームだ。国内CVCの投資案件は、2013年の50件から2016年には134件と急拡大している。一方でベンチャー・キャピタル(VC)は複数の機関投資家・事業会社・エンジェルと呼ばれる個人から資金を集め、金銭的なリターンを追求して投資を行う仕組みである。
日本企業のCVCは、以前はIT系企業がキャピタルゲイン狙いで設立されたものが多かったが、ここ数年は、本業との相乗効果や、技術情報やマーケット情報を獲得することを目的とし、メディア企業やサービス業など業種を問わず設立されている。事業創造や企業変革を進めるため、自社の経営資源に留まらず、外部から技術やアイディアを取り込むオープンイノベーションを模索するためだ。
ロレアルは社内と社外の2つの組織で、デジタル領域への投資をスタート
化粧品会社としてCVCをスタートさせ、テクノロジースタートアップへの投資を加速させている仏ロレアルは、その戦略、実行ともにリーディングカンパニーといえる。デジタル領域に本気で参入したロレアルは、以下の2つのことを相次いで行った。
ひとつは、2012年にシリコンバレーに社内のインキュベーション・ユニットResearch and Innovation Technology Incubatorを設立。その4年後の2016年には、 AIや教育、美容などの6つの領域で年に200以上の新ビジネスを創出すると標榜するFounders Factoryへ出資を行なった。Founders Factoryは、シリアル起業家でLastminutes.com創業者のブレント・ホバーマンなどが設立した、テクノロジー・ベンチャーへのアクセラレーターとインキュベーターの両方を行う会社だ。ロレアルは、Founders Factoryと共同で、美容領域で年5つのアーリー・ステージのベンチャー投資と、2つの新しい会社をゼロから作ることを掲げた。
出典:https://foundersfactory.com/
本業とのシナジーを見込めるBeautyTech領域に投資を集中
このFounders Factoryとともに、2017年1月に発表したのが、下記の5社への出資だ。
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