自撮りアプリから携帯端末、そして。中国のMeituがAI技術を駆使して夢見る未来
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スマホで自撮りした後、肌の色味や顔の輪郭を補正してインスタグラムに投稿する――世界中の若い女性たちが毎日、当たり前のようにやっている。自撮りアプリや美顔アプリと呼ばれる画像編集アプリは百花繚乱の状態だが、なかでも抜きん出ているのが中国のMeituだ。アプリ開発にとどまらず、AIを武器に美容業界に進出しつつある同社の最新動向とは。
スマホアプリからハードウェアの開発を手がける中国企業・Meitu(美圖公司)の快進撃が止まらない。同社は「BeautyPlus」や「MakeupPlus」、「Meitu XiuXiu」など女性向けの自撮り(セルフィー)に特化した写真編集アプリの開発元として有名で、2016年には起業8年目で香港市場に上場するまでに成長した。
「絶妙な加工具合」で日本のユーザーはすでに2,600万人以上
同社ウェブサイトによれば、同社アプリをインストールした端末は世界中で約11億台に達し、月間アクティブユーザーは4億5,000万人以上に上るという(2018年6月13日現在)。また日本を含め、中国以外のユーザーも急増しており、その数は5億人を突破している。Meituは2017年8月時点で、日本のユーザー数が2,600万人を超え、「女性の3人に1人が利用している」とも発表している。
同社が急成長した理由は、女性の「美しくありたい」という根源的な欲求に応えたからだ。たとえばBeautyPlusでは顔の肌色の調整やシワ、ニキビの除去、目の大きさの調整、歯のホワイトニングなどが簡単にでき、さらに動画の肌補正まで可能だ。一方、MakeupPlusは写真上でメイクを“足す”ことができ、自撮りした顔写真にリップやファンデ、チーク、カラコンなど様々なツールで加工できる。友達と共有したり、インスタグラムへ投稿する前に、Meituのアプリを使うことはもはや若い女性の常識となりつつある。
同種のアプリはほかにもあるが、Meituが支持を得ている理由は「絶妙な加工具合」にある。アプリ紹介サイトやユーザーレビューの声を総合すると、同社の美顔機能は「加工しすぎず、美しく盛れる」と評価が高い。過ぎたるは及ばざるが如しで、加工した写真をSNSなどに投稿する際に本人との過度なギャップは禁物だ。その点、Meituのアプリは自然な仕上がりができると評判を呼んでいる。同社幹部はテック系メディア「Impress ケータイWatch」のインタビューで「今はもっとナチュラルなものが求められている」と答えており、AI技術を駆使して、よりナチュラルな肌の質感を再現することに注力しているという。
一方、自撮り画像加工アプリやARメイクアプリは今、群雄割拠の状態だ。Meituと肩を並べるのは、ARメイクアップアプリ「YouCam Makeup」など、自撮りやバーチャルネイルを試せるアプリを提供する台湾のパーフェクト社。同社のアプリはこれまでで累計6億ダウンロードを記録(2018年6月13日現在)。最近ではCES2018で同社CEOが「O2O戦略」を発表したが、これはアプリ上で擬似的にメイクしたユーザーにクーポンなどを配布して来店につなげるというものだ。
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