美容分野のデジタルメディア、勝ちパターンなき時代はユーザーとの「信頼関係」も軸に
◆ English version: Trust and targeted marketing will be key for beauty-based digital media
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オフラインでの消費意向がつかみにくくなるポストコロナ、デジタルマーケティングの転換期でもあるポストクッキーの時代は、ユーザーとの間に信頼関係が成り立っているメディアの存在感が増すのではないか。さまざまな事例をみながら、そのつながりの深さがもたらすものについて考える。
ポストクッキー時代は、サードパーティデータでユーザーをターゲティングできていたDSP運用型広告が大きな打撃を受ける。そうなると、ブランド自身が直接ユーザーとつながりファンを増やしていくスタイル、つまり「ゼロパーティデータ」を持つべきだというのがデジタルインテリジェンス代表取締役会長 横山隆治氏の指摘だ。
そして、デジタル広告におけるターゲティングが難しくなった分、潜在ユーザーへのアプローチに関しては、ファーストパーティデータを持つメディアの価値が高まっていくと考えられる。
こうした視点から「かつてのように、コンテンツメディアの存在感が増す方向に回帰するのではないかという話題がよくあがってくる」と語るのが、株式会社サイバー・コミュニケーションズ メディア・ディビジョン チーム・マネジャーの舟山隆明氏だ。企業は今後、自分たちのブランドのファンになってくれる可能性を持つ潜在ユーザーの掘り起こしに、デジタルメディアを通してアプローチする機会を増やしていくだろう。その際には「ある意味ニッチな媒体のほうがわかりやすい」として、ユーザー像がはっきりしている媒体がブランドに選ばれると舟山氏は予想する。
ポータルサイトやキュレーションメディアに出稿して大量のリーチを図る手法よりも、「メディアとユーザー(読者)の間に信頼感があるかどうか」(舟山氏)、つまりメディアそのものの質が、より問われる時代になってきたともいえる。また、広告代理店にとっては、広告主にふさわしいメディア、ブランドが求めるターゲット層を持つメディアを見つけ出す、“目利き”が非常に大事になってくる。言い換えるなら、そのメディアにおいて意味のある広告を打たなければ、ユーザーには伝わらないからだ。
株式会社サイバー・コミュニケーションズ
メディア ディビジョン
チーム・マネジャー 舟山 隆明氏
同時に、新型コロナウイルス感染症流行による外出自粛を受け、化粧品購買においてはECの比重が高まり、店頭であってもデジタルツールを活用した非接触リテールや、リアル店舗がショールーム化して実際の購入はオンラインで行うOMO(Online Merges Offline)の流れが加速しつつある。そこにおいても、ブランドとユーザーの橋渡しに、濃いファンを持つデジタルメディアが果たす役割もまた大きくなっていくはずだ。
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