中国で化粧品・香料などの原料サプライヤーが続々と上場へ。成長戦略にはずみ
◆ English version: The sweet scent of success for Chinese cosmetics and perfume raw material suppliers as more go public
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好調な中国の化粧品市場を背景に存在感を増しているのは中国の国産ブランドだけではない。中国では最近、香料メーカーを中心に業績の良いサプライヤーの上場が相次いでいる。各社を紹介するとともに、その要因について分析する。
Perfect Diaryに続き、中国香料メーカーが初の米国上場
2020年11月、中国の新興化粧品ブランド「Perfect Diary(完美日記)」を運営するYATSEN(逸仙控股)が中国のコスメブランドとして初めて米国株式市場に上場し話題になったことは、以前の記事で紹介したとおりだ。その一方で、香料メーカーも同業界としては中国企業初の米国上場を実現しようとしている。Bon Natural Life(西安天美生物科技)である。ナスダック市場に上場すべく、2020年12月に米国証券取引委員会(SEC)に目論見書を提出した。
2006年創業の同社は、陝西省銅川市と渭南市に生産拠点を持ち、植物由来の香料やサプリメント、食品添加物などを製造している。中国メディアによると、P&Gや花王にも原料を供給しているという。また、同社は原料だけでなくOEM・ODMとして製品づくりもしている。また、粉末飲料やシャンプーなどの自社ブランドも展開中だ。
Bon Natural Lifeは、中国の香水市場の拡大に乗じて成長してきた。2019年9月までの1年間の売上高は、前年同期比52.1%増の1,639.6万ドル(約17億2,000万円)だった。セグメント別シェアは、フレグランス化合物が41.1%で、ヘルスサプリメントが26.5%、バイオアクティブフード材料が32.4%だった。ただし、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大による操業停止を受け、同年3月までの6カ月間の売上高が16.6%減となる715万ドル(約7億5,000万円)と落ち込んだ。
自社製品も開発するBon Natural Life
出典: Bon Natural Life公式サイト
植物抽出技術に強みを持つBon Natural Life
Bon Natural Lifeは「天然機能成分のイノベーター、健康産業のサプライヤー」になることを掲げ、14年間で4つの独自技術を確立してきた。
1つは、植物抽出分離および構造改変技術だ。原材料からの有効成分の抽出を最大化し、有毒成分を除去。オニサルビアやスタキオースなどの抽出に利用されている。2つ目は、植物抽出成分の活性増強技術である。水溶性を高める、分子を安定させるなどの技術を応用し、植物抽出成分の機能性を高めるとともに、毒性を低減。化合物研究製品の差別化を図るための重要な技術とされる。
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