韓国でコスメ開発プラットフォームを提供する話題の5社。P2Cは本格化するか
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韓国では近年、大手OEMやベンチャー企業を中心に、「コスメ開発プラットフォーム」をサービスとして展開するプレイヤーが続々と登場している。個人や企業がアイディアだけ持ち込めば、企画から製造、マーケティングまで、化粧品ビジネスに関連するさまざまな業務を丸ごとサポートし、ノウハウを提供してくれるというものだ。代表的なコスメ開発プラットフォームの最近の動きとともに、今後の韓国化粧品産業の潮流を分析する。
誰でもが化粧品をつくれる時代は韓国から
コスメ開発プラットフォーム(以下、プラットフォーム)が数多く登場している背景には、韓国市場特有の事情がある。1つには、ここ7~8年の間に化粧品ブランドを立ち上げようという個人や小規模事業者が、以前にも増して急激に増加していることだ。
韓国の政府省庁・食品医薬安全処の統計によると、2012年は829社だった「化粧品販売会社」というカテゴリーの登録事業者は、2019年にはおよそ19倍の1万5,707社にまで膨れ上がっている。並行して、中小ブランドの数も増加。韓国の化粧品業界に詳しい専門メディア関係者によれば、「国内に約3万ブランドが乱立するレッドオーシャン状態」となっている。
激しい競争を勝ち抜いたいくつかの新興ブランドが、グローバルブランドに巨額買収されるなどの成功事例を目の当たりにして、数百万円の資金を元手に、明日のK-Beautyドリームを掴みたいという新興ブランドの数もさらに増える。それに伴い、夢の実現を支えてくれる“実務役”としてプラットフォームの需要も高まるという状況だ。2019年には世界のOEM工場と、化粧品をつくりたい人のマッチングをかなえるプラットフォーム、Cosmepolitanが登場して話題となった。
加えて、昨今の韓国では消費者に強力な訴求力を持ったインフルエンサーたちが化粧品ブランドの立ち上げに参入し始めている。競争がさらに過熱する国内市場のなかで、インフルエンサーの影響力やマーケティング力を取り込みたい業界関係者の思惑が、プラットフォームビジネスという形で表出してきている側面もある。
韓国は安価で小ロットの化粧品の生産が比較的簡単にできる「コスメ製造のエコシステム」が整っている国である。化粧品業界には、いわゆるコンサルティングと呼ばれる専門家も少なくない。とはいうものの、インフルエンサーなど個人が化粧品を開発、製造、販売までトータルに行うには、既存のサービスやエコシステムだけではハードルが高いのも事実だ。
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