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B Corp認証をサステナブル化粧品原料のファーメンステーションも取得、その意義とメリット

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社会と環境に配慮する社会性と、全てのステークホルダーに対し利益をもたらす事業性をあわせ持つ企業を認証するB Corp™は、米国、ヨーロッパ、そしてアジアで取得企業が増加している。日本でも認証取得の手引きとなるハンドブックが刊行された。B Corp企業であり、独自の発酵技術によりアップサイクル化粧品原料を製造し、循環型エコノミーの実現を目指す株式会社ファーメンステーション 代表取締役 酒井里奈氏に、B Corpの意義と取得がもたらすメリットについて聞いた。

企業としての信用と社会インパクトの証明としてのB Corp認証

B Corp認証は、2006年に米国で設立された非営利団体B Lab™が運営する認証制度だ。環境や社会への配慮とインパクトの追求や、地域性やダイバーシティに配慮した従業員をはじめとするすべてのステークホルダーとの関係性への配慮、また、経営の透明性、事業の持続可能性などにおいて優れた、公益性の高い企業を認証する。

このB Corp認証を取得することは、“良い会社”であることの証しともみられ、化粧品から銀行、グローバルに展開する大企業からベンチャーまで、産業も企業規模も幅広い、85カ国の約5,800社が取得(2022年9月現在)を果たしている。

2021年には、パンデミックなどの影響でビジネスの変革に迫られた企業が増加したこともあり、前年比で申請数が38%増加、申請に欠かせないプロセスであるBインパクトアセスメントの利用者も86%増加した。なかでも、ヨーロッパと英国、ラテンアメリカ、カリブ諸国での増加が顕著で、同アセスメントに登録した企業数では、食料・飲料産業、IT産業、ホームケア・パーソナルケア産業などが2021年に大きく伸びたという。アジアでもここ数年でB Corp企業は漸進的に増えている

日本でも、未利用資源をアップサイクルする化粧品原料の製造で知られる株式会社ファーメンステーションが2022年3月、経済産業省認定J-Startupとしては初めてB Corpを取得した。

同社は、規格外の農産物や食品・飲料の残さなど、ゴミとして通常捨てられてしまうものを独自の技術で“発酵”させ、アップサイクルエタノールなどを開発。さらに、発酵の過程で生まれる発酵粕も化粧品の原料や鶏や牛の飼料として活用し、鶏糞は水田や畑の肥料にするなど、事業全体を循環サイクルに組み込む仕組みづくりを目指してきた。

評価されたポイントは、自社の発酵技術でサステナブル原料を製造する事業性と、地域社会での循環型経済の仕組みを構築するなどの社会性の両面でのインパクトを追求した企業活動にある。同年6月に仏パリで開催された欧州最大級のテクノロジー展示会「VivaTech2022」に出展した際には、B Corp企業であることで信用が担保され、商談もスムーズになり、ビジネスに大きなプラスであると実感したと同社代表取締役の酒井里奈氏は話す。

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