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B Corp認証、アジアの美容企業も取得の動きへ。台湾 Greenvinesに聞くその意図

サステナブルなビジネス構築を図るグローバル企業からも注目を集めている企業認証「B Corporation(以下、B Corp)」。その取得は、株主だけではなく、従業員や顧客、地域社会や環境までを含むすべてのステークホルダーに対し利益をもたらす事業活動を進める、“良き”企業であることの証明になる。B Corp認証の理念とその意義を、B Corp認証企業で台湾発のスキンケアブランドGreenvinesのスポークスパーソンへのインタビューとあわせて考察する。

世界4,800社以上が取得、社会や環境に配慮したビジネスを行う企業を認証

B CorpのBは「Benefit(利益)」を意味しており、B Corpとは、株主、従業員、消費者、地域社会、環境に対して包括的な利益をもたらすビジネス活動を行い、社会的な責任を果たしている営利企業を認証する世界標準の仕組みでありムーブメントである。

B Corpを運営するのは、2006年に米ペンシルバニア州で設立された非営利団体B Labで、「株主だけではなく、関連するすべての人にどのような影響を与えるかにもとづいて企業を評価する」との考えをもとに、社会や環境に配慮した事業活動において一定の基準を満たした企業を認証している。営利企業に対して利益と社会的意義を両立させるために設計された認証であり、透明性、説明責任、持続可能性、社会と環境パフォーマンスを重視する観点からの200を超える評価基準を設定している。

2022年3月28日現在、79カ国、153の産業の4,855企業がB Corp認証を取得しており、日々企業数は増えている。そのなかには、アウトドアウェア&ギアのパタゴニア(Patagonia)や、食品を手がけるダノングループのほか、化粧品業界では、ザ ボディショップやイソップ(Aesop)、エイボンを傘下に持つブラジルのナチュラ&Coがグループ全体で取得するなど、グローバル企業も含まれる。

オーガニックや天然由来成分、ヴィーガン処方などをコンセプトに掲げるクリーンビューティブランドが、自社の推進するサステナブルなビジネスの客観的な証しとして取得する例も多く、最近では、2021年9月に、創業100年のスイスの老舗オーガニックブランドのヴェレダB Corp認証企業に加わった

出典:AP News

B Corp認証を受けるためには、B Labが開発した社会や環境に対して企業が実現している成果を評価する、「BIA(Bインパクトアセスメント)」を企業自らが行い、一定の基準を満たしたところで認証取得を申請して、アセスメントの根拠となる詳細なデータや資料を提出しB Labによる審査を受ける。BIAの評価項目は「ガバナンス」「従業員」「コミュニティ」「環境」「顧客」の5つのカテゴリーで200以上の質問が用意されている。

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