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P&Gがオーガニック生理用品サブスク企業を買収、フェムテックに大企業も注目

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投資額も増大し世界的にフェムテック市場が盛り上がるなか、女性の日常に深くかかわる生理ケアにまつわるユニークな商品やサービスが米国では数多く登場している。そして、大企業も、こういった女性の悩みに寄り添うスタートアップに注目しはじめている。

2019年2月、P&Gがオーガニック生理用品のスタートアップThis is Lを買収して話題となった。買収額は明らかにされていないが、専門家はおよそ1億ドル(約110億円)と推定しており、フェムテックがもはやニッチな市場ではなく、大手メーカーが真剣に参入を考えていることを示すものとなった。

This is Lはまた、商品の原材料や製造過程を隅々まで公表する透明性でも支持を集めるブランドで、情報開示に積極的なP&Gとの親和性も高く、オーガニックやサステイナブルといったキーワードに敏感な新しい顧客層の取り込みをP&Gはもくろんでいると思われる。

This is Lの創業者タリア・フランケルは、もともと国連や赤十字による人道的支援の現場を取材してきたフォトジャーナリストで、世界の貧しい地域で多くの女性の自分の体を守りケアする権利がないがしろにされている現状を目撃したことが、起業のきっかけになった。

このように、女性特有の生理現象である月経に正面から向き合い、体への負担の軽減や暮らしの快適性を高めたり、月経サイクルを利用した健康管理を提案したりするなど、新しい発想のサニタリー用品を開発するスタートアップが続々と生まれ、存在感を高めている。

今回はそんな月経にフォーカスした米国発の注目プロダクツを9つ紹介していこう。

Kali
アプリケーターの材質も選べるオーガニックタンポン

Kaliは、This is L と同様のオーガニック・サニタリー用品のサブスクリプションサービス。タンポンもナプキンもオーガニック綿100%で漂白剤や香料を使用していないことをうたう。ナプキンがずれないように止める接着剤も植物由来で、化学物質を極力排除。また、タンポンのアプリケーターは環境ホルモンの一種BPAを含まないプラスチック製と、生分解性の紙製の2種類を用意している。生理用品に加えて、有害な界面活性剤フリーのデリケートゾーン用ウェットティッシュなどの商品もある。ウェブサイト上のクイズで生理の日数や量などの質問に答えていくと、最適なサニタリーBOXを提案してくれるサービスのほか、必要なものだけを選んでカスタマイズすることもできる方式。初潮を迎えて間もないティーンズ向けのキットや、生理期間中を心地よく過ごすためのアロマ製品などシークレットプレゼント付きBOXなどもある。

THINX
デザイン豊富な生理用品いらずのショーツ

見た目には普通のショーツと変わらないが、ショーツ自体が経血を吸収してくれる生理用下着。2017年時点で、5,000万ドル(約55億円)近い売上があるとされ、2019年1月からは全米有数の大型百貨店チェーンNordstromでも取扱いがはじまった。独自の4層構造で経血を吸収するとともに、気になる匂いをコントロールし、衣服やシーツへの漏れを防ぐ。水分のホールド力が高いヒップハンガータイプやハイウエストタイプは、タンポン2本分の吸収力を持つ。このほかにもビキニ、ブリーフ、Tバックなど多彩なデザインの下着タイプから、スポーツ時に履くトレーニングショーツ、レオタードタイプまで展開されており、ライフスタイルにあわせて選択肢が豊富である点も特徴だ。経血量が多い女性がタンポンなどと併用するサポート下着としても人気がある。さらに、トランスジェンダーの男性が、男性用トイレで生理用品を使わなければならない悩みにも焦点を当てたメッセージを発信するなど、ダイバーシティに配慮した企業姿勢もうかがわれる。

出典:THINX

re.t.a
何度もリユースできるタンポンアプリケーター

ナプキンなどがいらない生理用ショーツで注目のTHINXから、FDA(米国食品医薬品局)に認可された再利用可能なタンポンのアプリケーターre.t.aが登場した。耐久性のあるABS素材の“プッシャー”と医療機器品質のシリコン製“ホルダー”の2パーツで構成されている。使い方も簡単で、タンポン本体をホルダーへ装着し、プッシャーを用いて挿入するだけ。直径24ミリ高さ91ミリの円筒形で持ち運びも楽。THINXの調査によると、米国では毎年70億個ものタンポンが消費されていて、その9割近くが使い捨てアプリケーターを一緒に捨てている計算になり、re.t.aを使用することで、個人の生理用品ゴミを58%削減できるとしている。

出典:re.t.a

PantyProp
水中でもしっかりガード、生理時用スイムウェア

THINXの対抗馬ともいうべき、生理用品不要で下着そのものが経血を吸収して漏らさない生理用ショーツのブランド、オーストラリア発のPantyPropは、水中でも経血をホールドできるスイムウェアラインを展開している。股の部分に吸収能力の高いオーガニックコットンのガセット(マチ)を縫い付けた構造で漏れを防ぐ方式。外見からは生理対応とはわからないスリムタイトなデザインで、下着、水着ともに色や柄の選択肢が多く、とくにティーン向けのラインが充実。量が多い時はナプキンと併用できるよう、ナプキンが接着しやすい布地にするなど、使用感を高めるために細部の工夫もしている。

LOON CUP
CES2019でも注目のスマート月経カップ

医療用シリコン製カップを膣内に挿入し経血を受ける月経カップに、センサーを搭載した画期的なスマート生理用品がLOON CUPだ。アプリと連動し、カップ内の経血量が50%以上になるとスマホにお知らせがくるほか、経血の量、色、生理サイクル、体温などを自動で計測し記録してくれる。自分の生理の状態を数値として把握でき健康管理に役立つうえ、婦人科系の病気の早期発見につながることも期待できる。CES2019に出品されて注目を浴びていた同スタートアップは、Kickstarter上で3,631個の予約が集まり、 16万ドル(約1,800万円)を超える資金を得ている

出典:Loon Cup

my.Flow 
センサーでタンポンの吸収量をお知らせ

タンポンの経血吸収量をリアルタイムに測定し、ユーザーに残りの吸収可能量を通知してくれるタンポンセンサー。導電性を持つ髪の毛より細い医療用グレードの糸で、タンポンとベルトクリップ状のウェアラブルモニターを繋げて経血量を計測。スマホアプリに情報を送信し、タンポンがどの程度経血を吸収しているかを画面に表示する。タンポンを取り替えるタイミングを誤って、衣服にシミをつける事態を未然に防げるほか、月々の経血量の記録が取れる。

Q-pad
毎月の生理が健康診断になる

血液検査を提供するスタートアップQurasenseが開発した生理用ナプキンQ Padは、ナプキンの内部に組み込まれた試験紙で経血を採血し郵送すると検査が行われ、結果は専用アプリで確認するシステム。検査内容は事前に年齢や健康状態、目的などをもとに提案がなされるが、自分で調べたい項目を選ぶことも可能だ。異常が見られた場合は、解決に向けた次のステップや再検査などのアドバイスが受けられる。経血からは、ホルモンやビタミンレベル、HIVや糖尿病、コレステロール値などがわかる。今後は癌などの腫瘍マーカーにも対応する予定。

出典:Qurasense

Livia
微細な電流で生理痛を緩和するウェアラブルデバイス

肌に密着する電極パッドを下腹部など生理痛のある部分に貼りつけ、メインデバイスの電源を入れて電気パルスを流す小型ウェアラブル機器。痛みを脳の中枢に伝達するT細胞を、抑制介在ニューロンによって抑えることで痛みが感じにくくなるとするゲートコントロール理論に基づいており、特殊な電気パルスが痛みの原因である神経のシグナルをブロックする。即効性があり、投薬のように副作用や化学物質の摂取の心配がないのが特徴。FDAとCEマークの認証も受けているほか、「Women’s Health」誌のフェムテックアワード2018など受賞歴も多い。クラウドファンディングIndiegogoで およそ175万ドル(約2億円)を集め、目標額の1,338%を達成したことでも注目を浴びた

FLO
グミを食べてPMSを美味しく軽減

“女性の不調のためのハーブ”の異名を持つチェストベリー、漢方では婦人科系の症状に用いられる生薬のドンクアイや、ビタミンB6といった、PMS(月経前症候群)に効くとされる原料から作られたグミ。PMS軽減を目的として、すべて天然由来成分で人工着色料や香料は使用していない。同時にヴィーガン、グルテンフリー、クルエリティフリーをうたう。サブスクリプションサービスもあるが、単品での購入も可能。


Text: 大島孝子, 編集部
バナー画像:志谷のぞみ(Nozomi Shiya / BuzzFeed)
Photo by Alisa Anton on Unsplash

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