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ユニリーバや資生堂などが取り組むマイクロバイオーム化粧品、カギは3つの方向性

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美容・ヘルスケア業界において、マイクロバイオーム(微生物叢)がグローバルで大きなトレンドとなっている。マイクロバイオームへのさまざまなアプローチで製品開発が進むなかで、第三者機関による皮膚マイクロバイオーム製品の認証「KIND TO BIOME」を提供する取り組みなどもスタートした。ユニリーバ、J&J、ロレアルなど各美容企業が取り組むマイクロバイオーム化粧品開発の最新事例を紹介する。

マイクロバイオーム化粧品開発3つのアプローチ

マイクロバイオーム化粧品市場には、英ユニリーバ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、仏ロレアルをはじめ、大手化粧品やヘルスケア製品メーカーが参入しており、Global Market Estimatesの調査によると、2021年から2026年のあいだに約7.5%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予測されている。

日本でも、“美肌菌”美容液として2019年にリニューアルしたランコムの「ジェニフィック アドバンスト N」のヒットで注目を集めるほか、2022年9月には資生堂が英国のマイクロバイオームスキンケアブランド「ガリネー(Gallinée)」の買収を発表しマイクロバイオーム研究を加速させていく考えを示すなど、期待が高まっている。

マイクロバイオーム製品は、微生物が働きやすい環境に整えるプレバイオティクス、生きた微生物を与えるプロバイオティクス、有機酸やペプチドといった微生物の代謝成分を取り入れるポストバイオティクスなど、大きくは3つの方向性で開発が進んでいる。今回は、各アプローチごとのマイクロバイオーム化粧品最新事例についてみていく。

ユニリーバは膨大なサンプル収集でプレバイオティクスに注力

プレバイオティクス製品は、善玉菌をはじめとする皮膚にとって有益な微生物に栄養素を与えることで、皮膚の健康維持を目指すものだ。そのプレバイオティクス領域に特に注力しているのが、ユニリーバである。

同社は、2003年からマイクロバイオーム領域の研究開発を開始。特徴的な事例としては、世界各国の臨床研究から1万2,000以上のマイクロバイオームサンプルを収集し、12テラバイト以上のマイクロバイオームデータを生成したバイオインフォマティクスの取り組みがあげられる。2021年からはここに人工知能(AI)技術も導入し、データ収集・解読をさらに加速させている。また、インド、中国、米国からさまざまな地理的サンプルを収集することで、マイクロバイオームがどのように機能しているのか、人種を超えて共有できるマイクロバイオームのコアとなる要素は何か、マイクロバイオームに対するより深い理解を進めている。 

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